カップは単に飲み物を入れる器のはずなのに、それだけにとどまらない。コレクタブルな要素があるから沼にハマるし、何気なく選んだとしてもそこに色、柄、形といった好みが反映されるため、時にその人の人となりを表す。
もちろん入れる飲み物や量によってカップの形状や大きさ、口縁の厚さが異なるし、使うシーンを考えると素材も限定されてくる。
よくよく考えると、アウトドアで使うカップひとつとってもそうだ。気楽に使うならシェラカップだし、軽さならチタン製、雰囲気ならホーロー製、保温を考えると真空断熱構造を選んだりする。
圧倒的に汎用性が高い一客
カップには大なり小なりその人なりの思いやストーリーが詰まっているが、汎用性の高さで選ぶなら、ovjectの「エナメルフックマグ」は外せない。某アウトドアブランドにもOEM供給しており、シンプルで機能的。何客も揃えたくなるアイテムだ。
プロダクトとしての機能を見てみると、3つの特徴がある。
1つめは蓋が付属しているから、ゴミや木屑、虫、雨が入りにくい。また転倒した場合でも、飲料のこぼれを最小限に抑えられる。2つめは取っ手が着脱可能で、スタッキングが容易。3つめは、その取っ手の色を選べるから、大人数のキャンプでも自分のカップを判別しやすい。今ではカップ5色×取っ手7色の組み合わせから選べるのだ。
素材がエナメル(ホーロー)なのもいい。そもそもエナメルとは、金属製本体の表面にガラス質の釉薬を焼き付けたもの。耐熱性、耐摩耗性、耐酸性に優れた素材で、におい移りが少なく、金属臭も感じられない。
だからコーヒーやワインを入れても飲料の風味を損なわないし、カップに香りが移ることもない。こびりつきやすい汚れも落ちやすいから、手入れも簡単。
しかも直火にかけられるから、温め直しや調理にも使えて、まさにアウトドア用のカップとしては至れり尽くせり。自宅ならオーブンにだって入れられるのだ。
サイズはφ94×H105×W130mmで、360mlと大容量だから、カップとしてだけでなくコーヒーのサーバー代わりにもなるし、クッカーとしても十分使えるというわけ(240mlもラインナップ)。
直火にかけられて大容量だからスープなどにぴったりだけど、本体が金属で冷やせば冷たさが持続するから夏場でも大活躍! ちなみに計量用の線は刻まれていないので、自分の指で大体の量を分かるようにしておくのがおすすめだ。
日々の生活に寄り添ってくれる
汎用性の高さという意味では、無機質ながら落ち着いたトーンであるということも重要だ。しかもマットな梨地仕上げなので、雰囲気十分。
インドアではカップとしてはもちろん、インテリア雑貨として汎用性も際立つ。例えば、多肉植物の鉢にしたり、カトラリーの入れ物にしたり……そんな日々の生活に寄り添ってくれるカップでもある。