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簡単ビリヤニでお腹と心を満タンに

泣きたい時にはスパイスだ! 印度カリー子の“泣き飯”レシピ

author: 日比楽那date: 2024/11/07

落ち込んでも、いつかは腹が減る。そんな時、好きな料理を心ゆくまで食べれば気持ちが前を向くし、自炊すれば達成感も得られる。食事ってポジティブな行為だ。

「私自身、大変な時期はカレーに支えられました」。そう話すのは印度カリー子さん。スパイスを使ったお手軽レシピを数多く発信する、自炊の頼れる味方だ。大学時代に料理研究家として活動を始め、学業や私生活との両立に悩んだという印度カリー子さん。そんな彼女に、落ち込んだ日でも簡単に作れて、悩みが吹き飛ぶくらい美味しい“泣き飯“レシピを教えてもらった。

印度カリー子

大学時代からスパイス料理研究家としての活動を開始。2019年には“スパイスカレーをおうちでもっと手軽に”をテーマにしたスパイス販売サイト『スパイス初心者のための専門店 香林館』を設立する。近著に『もう余らせない! おのこりスパイス5種でリピ決定おかず』『スパイスカレー沼にハマってみない? 毎日作り続けて気づいたもっとおいしくなるコツ』など。

YouTube:@indocurryko
Instagram:@indocurryko

スパイスの香りに癒され、調理は手軽。お米とお肉を存分に摂れる「炊飯器ビリヤニ」

材料(3〜4人分)



・バスマティライス 200g
・鶏もも肉 400g
・ヨーグルト(無糖) 大さじ3
・塩 小さじ1と½
・おろしにんにく ※チューブでもOK 小さじ1
・おろししょうが ※チューブでもOK 小さじ1
・フライドオニオン 10g
・バター 10g

▼パウダースパイス
・クミン 小さじ2
・コリアンダー 小さじ2
・パプリカパウダー 小さじ1
・ターメリック 小さじ1
・チリペッパー 小さじ1/2
・ブラックペッパー 小さじ½

▼ホールスパイス ※あれば。お持ちの方のみ
・カルダモン 3粒
・クローブ 3粒
・シナモン 3cm
・スターアニス 1粒
・ベイリーフ ※ローリエでも代用可 1枚

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①バスマティライスは細長く、お花のように香り高いインディカ米のこと。折れやすいので、さらさらーっと水を通すくらいのイメージで優しく洗います。

2回程度水を替えたらよく水切りをして、300mlの水を加え、30分ほど浸水させます。

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②鶏もも肉は一口大に切ります。

印度カリー子さんのおすすめ、食べ応えのある大きめカット。皮を取り除くとあっさり仕上がるので、こちらもお好みで。

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③ボウルで、ヨーグルト、塩、にんにく、しょうが、フライドオニオン、パウダースパイス、ホールスパイスを混ぜます。

この工程は、材料をジップロックやポリ袋に入れて、もみ込んでもOK。洗い物を減らせます。

ヨーグルトは無糖のものを、ニンニクとショウガは、チューブのものを使います。「もちろん生をすりおろすほうがおいしいけれど、泣きたいときは楽をしましょう!」と印度カリー子さん。

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フライドオニオンも、今回は市販のもの。油で揚げて作る場合は、玉ねぎ1個分を使います。

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ヨーグルト、塩、ニンニク、ショウガ、フライドオニオン、パウダースパイス、ホールスパイスをしっかり混ぜたところに鶏もも肉を投入。

さらによく混ぜ合わせます。

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④材料をよく混ぜたら、炊飯ジャーのお米にそっと乗せ、広げます。

インドのバターオイル・ギーの代わりにバターを乗せたらいよいよ炊飯。通常の白米モードでOKです。

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炊き上がり! 優しく混ぜ合わせてから盛り付けます。

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付け合わせにヨーグルトと野菜をあえたサラダ・ライタを作ってもよし。今回は手軽に、フレッシュなパクチーを添えます。

スパイス料理で、汗と一緒に泣き言も流す。

ーー泣き言を言いたいとき、どのようなレシピがおすすめですか?

スパイスを使った料理はすごくおすすめです。私自身、ストレスが溜まったときは辛いものを食べたくなりますね。泣き言も鬱憤も、汗と一緒に流せたらいいなと思うので。お米を炊いて辛いカレーを作るのもいいけど、今回は炊飯器ひとつで簡単にできるビリヤニのレシピを紹介しました。

ちなみに、今日使ったスパイスのなかで辛さのあるものはチリペッパーとブラックペッパーだけで、そのほかは香り付け用なんです。その匂いに料理中や炊飯中に癒されるという意味でもおすすめの“泣き飯”レシピですね。

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ーースパイスはインド料理の醍醐味ですね。その香りや見た目だけでなく、自炊といえば食材を刻んだり炒めたりする作業に癒しを感じる人もいると思います。

そうですね。自炊は「自分を大切にしているぞ」と実感する機会にもなると思います。逆に、泣き言を言いたいときにカップラーメンを食べて自暴自棄になってしまう、なんてこともありますよね。

その点、インド料理はよく玉ねぎを炒める工程があるのがいいなと。私の場合はその時間に無心になれて、気持ちが整理されるんです。

あとは一つひとつ個性的なスパイスが混ざっていくことで、自分好みの香りを調合する達成感を得られるんじゃないでしょうか。他の国でも2種類くらいを使うことはたくさんあると思いますが、5〜6種類以上も調合するのはインド料理ならではだと思います。

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ーー今回はそんなスパイスを使って、手軽にできるビリヤニを作っていただきました。

ストレスが溜まったときは辛いものだけでなく炭水化物も摂りたくなるんですよね。ビリヤニはお米が主役だからたくさん食べても許されるかな、と思えるので好きです。別に、どの料理でも許されるんですけど(笑)。

あと、ビリヤニはいわゆるインド式の炊き込みご飯なので、具もポイントです。今回はごろっとしたサイズのお肉をたっぷり使いました。他の人が作るビリヤニに比べても分量がだいぶ多いんじゃないかな? 昔の私のレシピはもっと少なかったんですけど、食べたときに「お肉ももっと欲しいな」と思っているうちに分量が増えていきましたね(笑)。

ーー印度カリー子さんのビリヤニレシピではお米もお肉も主役になるんですね!

主食とおかずが一体になっているので一品で満足できるのもビリヤニをおすすめしたい理由のひとつです。その上で、さらに意識したのがお手軽さ。市販のすりおろしにんにくとすりおろししょうが、フライドオニオンを使うことで手間を減らせます。

あと、今回は6種類のパウダースパイスと5種類のホールスパイスを使ったのですが、パウダースパイスだけでも十分おいしく仕上がります。

スパイスは大体スーパーや百均で手に入ると思うのですが、バスマティライスはハラルフード店で買えます。専門店がお近くにない方はECサイトを活用すると便利です。

ーーその日の疲労度に合わせて手間がかからない方法を選べるのも嬉しいですね。あらためて、調理のポイントも教えてください。

ビリヤニの一番難しいところは塩と水の具合です。塩加減は、分量を守れば大丈夫。水加減は、お肉の分量を守れば成功すると思います。お肉がたくさん持っている水分が、煮出しているうちに出てくるからですね。火加減は炊飯器がやってくれるので、注意点はそれくらいでしょう。

「あるときは悲しみ、あるときは喜び、その繰り返し」

ーー印度カリー子さんが泣き言を言いたくなるのはどんなときですか?

一般的に、泣き言を言いたくなるときって人間関係の悩みが多いんじゃないかと思うんですけど、私はほとんど家から出ないのでそれはあんまりなくて。それよりは自分の凡ミスに泣き言を言いたくなります。

例えば、私は初心者のためのスパイス専門店をやっていてインドの会社からスパイスを直輸入しているのですが、たまに発注を間違えてしまうと「やってしまった!」と落ち込みますね。

ほかに泣き言を言いたくなるときといえば、料理しているときに作り途中のものを全部ひっくり返してしまうときとか……(笑)。仕事はストレスを溜めずに楽しくできているので、やっぱりそういう凡ミスに泣き言を言いたくなります。

ーー昔からストレスを溜めずにいられましたか?

昔はもっと感情の起伏が大きかったんですけど、段々落ち着きましたね。あるときは悲しみを感じたり、あるときは喜びを感じたり、その繰り返しなんだな、と思うようになってからは揺さぶられることなく、毎日が穏やかになりました。

歩いているだけで涙が出てくるほどの頃を経て、整備できた自分のルール

ーー毎日が穏やかに感じるようになるまでは、どんな道のりだったのでしょう。

活動を始めて、最初の3年は1年間に4冊ずつ本を書いて、同じ時期に卒論と修論も書いていたので、本当に忙しかったですね。その間も自分の食べたいものしか食べたくなくて、外食は絶対にしたくなかったので、365日、3食すべて自炊していました。その頃を超えるしんどさや時間のなさ、切羽詰まった感じはないな、と思います。なので、穏やかになったのは大学を卒業してからです。

逆に、ピークだったのは24歳のとき。その頃は泣き言を言うどころか歩いているだけで涙が出てくるほどでした。でも、このままじゃまずいなと思っていたところで結婚して。キャパシティが大きくてなんでもそつなくこなすタイプの夫が、「休んでも大丈夫だよ」「偉大なことを成し遂げるためには休まないとだめだよ」と毎日のように言い聞かせてくれたおかげで自由な発想ができるようになりました。

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今SNSでアップしている動画は、2年くらい休んだ後に生まれたものです。余裕を持った先でできたことですね。

ーー休みをとる以外に、余裕を持つために実践したことはありますか?

20代前半まではなんでもやりたい時期でもあったので、中盤からルールを整備することに集中してきたかもしれません。

たとえば、以前は誕生日でも大切な仕事が入ったら仕事を優先していたのですが、最近はそれをやめました。そこまでやってなにが得られるんだろう、得られるものがあったとしても失うものも多いな、と考えるようになりましたね。

あとは、だいぶ前から夜9時以降は返信しませんと公言していて、今も夜ご飯の後は仕事をしないようにしています。スマホも寝室や食事中の食卓には置きません。ご飯を食べている時はテレビがついていたり音楽が流れていたりするのも苦手なので、料理と対面する人だけに集中できるように環境を整えています。あと、夫は「なにがなんでもご飯は一緒がいい」というタイプなので夕食は顔をあわせて食べます。休日の朝に一緒にご飯を食べながら1時間くらい話す時間もすごく好きになりましたね。

料理するのはもともと好きですし、自分の癒しにもなりますが、「おいしいおいしい」と言って一緒に食卓を囲む人がいると、よりよいなと思うんです。

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ライター・編集者・写真家
日比楽那

2000年生まれ。ライター・編集者・写真家。14歳から役者として活動開始。その後、10代後半から執筆活動を始める。現在は、主にウェブメディアでインタビューやレポートといった記事の企画や制作を担当。ゴールデン街でも働いています。
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