リモートワークや新しいライフスタイルの広がりもあって、注目度が高まっているのが車内で泊まれたり仕事ができたりするクルマ。キャンピングカーがその代表格ですが、そこまでいかなくても車内でスペースが確保できれば、移動しながら車内で仕事をしたりすることも可能です。そこで注目したのがワンボックスタイプの商用車。ミニバンなどに比べてファミリーカーとして使っている人は少ないですが、圧倒的なスペース効率で”移動できる部屋”のような感覚で活用できるので、高価でも購入する価値はあります。
走行距離15万kmの「スーパーGL」
購入したのはトヨタの「ハイエース」。といっても中古車ですが、需要の多い車種なので中古でも高値を維持している車体が多いのです。「ハイエース」というと、荷物を積むための商用車というイメージが強いですが、「スーパーGL」というグレードだとリアシートなどの内装もある程度の快適性が確保されていて、ファミリーカーとしても十分使えます。
その分、中古でもある程度の値段になってしまうものも少なくありませんが、筆者が購入したのは走行距離が15万kmと多いこともあって100万円程度で入手することができました。多走行車ではありますが、「ハイエース」などの商用車は40万kmオーバーでも取引されているものもあり、まだまだこれからという走行距離です。
ちなみに「ハイエース」には様々なボディサイズやタイプがありますが、普段の運転しやすさなどを考えて一番小さい標準ボディのバンタイプを購入しました。
圧倒的なスペース効率の高さは他社をしのぐ
筆者はそれまでミニバンを所有していましたが「ハイエース」に注目したのは、その圧倒的なスペース効率の高さ。全長・全幅などのサイズはミニバンと同等か小さいくらいですが、ラゲッジスペースは圧倒的に広く、バイクを2台積むことも可能。自転車なら4台は積載できます。
その状態でも5人の乗車が可能なので、バイクや自転車を積んで移動する機会が多い筆者の仕事には最適です。正直なところ、今までミニバンで積み方を工夫しながら積んでいたのがウソのような積載力を持っています。
実は購入前に他の車種も検討したのですが、ここまで広いスペースを確保できるものは他にありません。同クラスのライバルとしては日産の「NV350キャラバン」もあり、スペース効率などは同等ですが、中古のタマ数の多さとカスタムパーツも充実していることから「ハイエース」を選びました。
“空間を持ち歩く”という発想
購入前からわかっていたことですが、スペースの広さは圧巻。バイクや自転車をそのまま積めるので、仕事で活躍してくれるのはもちろん、自転車で出掛けた子どもを迎えに行って、自転車ごと回収してくるという使い方もしています。サーフィンやキャンプなどアウトドア趣味を楽しむ人たちから支持されている理由がよくわかりました。
さらに、シートを倒せばフラットになるので、そのままでも車中泊できます。ベッドキットなどを装着すればより快適度が上がりそう。こうしたカスタムパーツが充実しているのも魅力で、自分の使い方に合わせて使いやすいようにカスタマイズすることが可能です。筆者はトランスポーターとして使う機会が多いので、それ用のパーツを装着しているほか、セカンドシートに自作のテーブルを付けられるようにして、車内でも仕事ができるようにしています。
趣味にも仕事にも活躍してくれているので、家に部屋が1つ増えて、それで移動もできるという感覚。空間を持ち歩ける感覚なので、ライフスタイルが大きく変わります。目下、心配しているのは次にクルマを選ぶときに「ハイエース」以外の選択肢がなくなってしまうのではないか? ということくらい。