腕時計は難しい。掘れば掘るだけ深みにはまる“沼”の世界だ。数千円で買えるリーズナブルなモデルから、数万円、数十万円と値段はどんどん上がり、0を数えるのが面倒なくらい高価なものもある。もちろんハイエンドな腕時計の魅力も少なからず理解できるが、相当な腕時計マニアでなければ10万円でも十分高い買い物である。ましてや10代、20代の世代はスマホを時計代わりにするし、そもそも腕時計を着けないという人も多いはず。
10年以上愛されるロングセラーモデル
どちらの言い分も分かるけど、僕は腕時計を着ける派だ。「社会人なら~」とか「大人なら~」とかそういう説教を真に受けているわけではなく、腕時計を着けている方がなんとなくカッコいい思うから。ただ日常的に使っているのはCASIOのwave ceptor「WV-59」シリーズ(最新モデル:WV-59R、写真モデル:WV-59J)、お値段は6050円の安価なモデルである。
そもそも「WV-59」は、2007年に登場した「WV-59DJ」から10年以上も継続して販売されているロングセラーモデル。2021年にリリースされた「WV-59R」は、シリーズで初めてリニューアルされたモデルとなっており、ライトがELからLEDへ、精度が月差±20秒から月差±15秒、バック刻印が変更されている。
腕時計ひとつでも、限りなくストレスを減らしたい
この腕時計の良いところは、無駄に気を遣うことなく雑に扱えること。繊細さとは無縁な頑丈なボディー、水回りの作業もそのまま行える気楽さ(5気圧防水)、そして万が一、傷付けてしまっても精神的にダメージを負わないで済む「6050円」というお手頃価格だから、ノンストレスで装着できるというわけだ。
加えて、このモデルを愛用する理由は視認性の高さにもある。スクエアのフェイスには、上段に日付と西暦、中段に時分秒、下段に曜日が表示されるのだが、欲しい情報が必要最低限にして十分揃っているのが気に入っている。とにかく時間の表示がデカイのも良い。また、これは共感されにくいと思うけれど、アナログ時計に比べてデジタル時計の方が、0.1秒くらいは早く時刻を認識できる気がする。そういうわけで、日常使いではデジタル式を選択している。
また、スマホではなく腕時計で時間を確認するのも同じような理由だ。ポケットに手を入れてスマホを取り出し、画面を見てポケットにしまう。この一連の動作が腕時計に比べて、わずかながらストレスを感じる。1日に1回や2回なら我慢できるけれど、長期的な目線で考えると腕時計以外の選択肢はなかった。
今日も明日も「WV-59」
正直、腕時計好きには怒られるかも知れないが、「WV-59」は装飾品ではなく“道具”としての機能をまっとうしてくれるモデルだと考えている。ロレックスのように所有欲を満たしてくれるわけでもないし、タグホイヤーのように大人の男を演出してくれるわけでもない。しかし毎日装着したくなるような、不思議な安心感がある。
そんな「WV-59」は、もはや僕の相棒と言っても過言ではない。長年の使用により本体のガラス部分が傷付いてしまったため、今では2代目に買い替えた。しかし2代目もだいぶ傷付いている、それでもいい。もちろんお気に入りのアナログ腕時計も複数本持っているけど、やっぱり今日も「WV-59」を無意識に選んでしまうのだ。