ASUS Detachable CM3を使ってみて大いに反省する

正直、「Chromebookってパソコンでもタブレットでもない、中途半端な存在なんでしょ？」そう思っていた時期がつい最近までありました。ASUSの最新Chromebook『ASUS Chromebook Detachable CM3』を手にするまでは。

3月17日に発売されたASUSの新型Chromebook。「自由な学びをサポートする」「学習にも最適、縦横自在のノートパソコン」というキャッチコピーだけあって、手にするまでは学習用の廉価版教育パソコンだとばかり思っていた。価格も税込50,800円。「小学生の娘にいいかも」程度に考えていたほど、当初の期待値は薄い。

Chromebook Detachable CM3を手に入れて、まず目にとまったのが、本体全体がファブリックで覆われていること。これなら天板に傷がつくこともなく、無造作に扱っても大丈夫そう。学生カバンやビジネスバッグはもちろん、バックパックに入れても気兼ねなく持ち運べる。堅牢性も十分。ミルスペックMIL-STD-810H適合モデルだというから驚きだ。

普段はMacbook Air13インチとiPad Pro 10.5インチを外出中のマシンとして持ち歩いているが、2台あわせて1.7kgほどになる。ノートPCとタブレットの2 in 1スタイルのChromebook Detachable CM3だけを持ち運ぶと、重さは約915g。いつもよりも46％ほど軽くなり、肩や腕への負担が軽減された。とはいえ、見た目や重さだけで判断するのはまだ早い。実際に“ビジネスシーンで使えるかどうか”が重要だ。

これは「羊の皮をかぶった狼」なのかも知れない

使い始めて数日、自分自身がすでにGoogleに依存していることに気付かされた。自宅でも編集部でも、使用するWebブラウザはGoogle Chrome。スマートフォンもそう。Chromeでブックマークや履歴、フォームの自動入力やパスワード管理さえも同期している。また、日常的に使うメーラーはGmail。スケジュールはGoogleカレンダーで管理しているので、調べる、メールを出す、予定を見るのは、Chromebook Detachable CM3でも変わらない。むしろ、Google Chromeを使うのに特化されているマシンだけあって、ブラウザへのアクセスが早く、快適さはこれまで以上に感じる。

Chromebookにはデスクトップという概念がない。この点はタブレットと同じ。なので、作業中のファイルはつねにGoogleドライブに保存することになる。普段乱雑にデスクトップにファイルを一時保存しては、作業して消す、もしくはフォルダにしまう、同期したいものはDropboxに入れておくという無頓着スタイルだったが、Chromebook Detachable CM3を使うようになって、Googleドキュメント、Googleスプレッドシートを使うようになった。写真はGoogleフォトに入れておく。こうして全てのデータがGoogleのオンラインストレージに保存されるようになり、自宅のデスクトップからファイルが激減した。

Chromebook Detachable CM3はタッチパネル搭載。タイミング時はキーボードに備え付けられたトラックパッドでカーソルを操作し、アプリやブラウザを閉じたいときにはカーソルを動かすことなく画面の指タッチで行なえる。この２段構えなのが地味にうれしい。キータッチも必要にして十分なレベル。筆圧検知型のタッチペンも備わっているので手書きメモもいける。ただし、PDFに書き込むにはChromebookの対応アプリ次第。今のところベストは見つかっていないが、Chromeの拡張機能、KAMIを使用することでなんとかなる（KAMIは筆圧検知しないのが実に惜しい）。

RAW現像もできた！デジカメライフがはかどる

ワードやエクセルを使うようなビジネスシーンでは想像以上に使えることが分かった。日常的に使っていてうれしかったのが、「こんなことできるかな」を試してみて実現したとき。デジカメで撮影したRAW現像もそのひとつ。ChromebookはGoogle PlayからAndroidアプリをインストールすることができる。すべてのアプリがChromebook で使えるわけではないが、定番どころはしっかりと抑えてあり、AdobeのRAW現像ソフト、Lightroomが使えたことで、Chromebook Detachable CM3の評価は確実なものとなった。

Webブラウジングにメール、各種SNSはノートPC並の使い勝手。それに加えてオフィス系ソフトもオンライン会議もいける。デジカメのRAW現像だってOK！と、外出先での相棒としては申し分なし。サクサク動作するので、ストレスを感じない分、「持ち運ぶノートPCはこれに変えようかな」と思うほど優秀だ。パッと広げても省スペースなので、クルマのなかでもこのとおり。

また、タブレットモードにすれば、電車のなかでも使い勝手良好。立ったままメモを取る時はタッチペンを使ってスラスラ～と、あれ、これいいじゃんと思うほど。つねに持ち運ぶようになってひと月、当初思っていた「子供にいいかも」は、頭のなかから露と消え、いつの間にかお父さんの（私の）お仕事用パソコンへと変わっていった。