没頭できるような趣味を持っている人って、楽しそうで憧れる。実際は、「趣味」と言われても、なんとなく好きなものはあってもコレと言って没頭しているものって案外ないかも。
そんな、趣味迷子のみなさん。「気になっていたけど一歩を踏み出せなかった」「始めたいけど何から手をつければいいのか分からない」というちょっとハードルを感じる趣味の世界に、私たちと一緒に飛び込んでみませんか?
本連載では、様々なジャンルのプロフェッショナルたちに力を借りながら、これまでチャレンジできなかった様々な趣味の世界を探検します。思いがけない「楽しい」や「好き」と出会うかも?
第一回目は、「釣り」に挑戦! 道具を一から揃えて始めるのはどこから始めればいいかわからないし、海や川といった遠方の釣りスポットに行くのは腰が重い。そんな釣りビギナーさんは、都内からサクッと行けて、道具もレンタル可能な釣りビギナーの願いを叶えてくれる釣り場で、まずは「釣り」の楽しさを体感しよう。
釣りに挑戦するのは、俳優の高橋春織さん。「キャンプは好きでよく行くけど、釣りは小さい頃に父と一緒に釣り堀へ行ったっきりです。」ということで、先生にガッツリ教わりながら釣りの世界を堪能しましょう!
都内からアクセスしやすい、自然豊かな「奈良子釣りセンター」
新宿から電車とタクシーを乗り継ぎ、約2時間。車がなくても、都内から自然豊かな釣り場に行ける「奈良子釣りセンター」。
「奈良子釣りセンター」を教えてくれたのは、釣りをレクチャーしていただく齋藤竜也さん。
齋藤さん
齋藤:「奈良子釣りセンター」は、釣りに必要な道具をレンタルできるので、手ぶらで行けるのもおすすめのポイント。はじめて行くには、ピッタリですよ!
高橋:最寄りの大月駅まで、新宿から電車で1時間ちょっと。大月駅から釣り場までは、タクシーで30分くらい。あっという間に到着しました。お休みの日にサクッと行けそうですね。
齋藤:奈良子釣りセンターは、ルアー釣りやエサ釣りといった様々な釣法が楽しめる釣り場です。奈良子川の自然渓流をそのまま使用した2つの渓流エリア、タイプの異なる2つの池、計4つの個性的なエリアで釣りが可能です。
ならご池という初心者向けのポイントからワンステップ上のストリームエリアがあるので、段階的に楽しめる環境が魅力です。施設によってマナーがあるので、行くスポットの情報を事前にチェックしておくと安心ですよ!
高橋:釣りは久しぶりに挑戦します! とっても楽しみな反面、釣れるか少しだけ不安かも。そんな私でも道具が揃っているし、管理釣り場の人に気軽に相談できるということで始めやすい環境ですね。齋藤先生、よろしくお願いします!
奈良子釣りセンター
住所:山梨県大月市七保町奈良子10番地
営業時間:6:30〜17:00
X:
@naragofishing
いざ、フライフィッシングに挑戦!
釣りといっても、エサ釣りや疑似餌を使って楽しむルアー釣りなど様々な釣法があります。今回は、その中からフライフィッシングに挑戦。
高橋:フライフィッシングとは、どのような釣り方なんですか?
齋藤:フライフィッシングは、小さな虫や幼虫といった魚のエサに似せた「フライ」という小さな釣り針を使う釣り方です。ここにいる魚たちは、ニジマス、イワナ、ヤマメなどの淡水魚たち。彼らは小さな虫や幼虫を食べているんです。「フライ」を使って魚たちを誘います。
ピンクや白、緑などカラフルなフライがズラり
今回は水面に浮く「ドライフライ」というタイプから挑戦します。道具は釣り場でレンタル可能ですが、今回は僕の道具を使って釣りに挑戦してみましょう!
(右)釣り道具を説明する齋藤さん(左)高橋さん
【フライフィッシング道具】
・ロッド(竿)
・リール
・フライライン
・テーパーリーダー
・ティペット
・フライ(毛鉤)
齋藤:まずは、初心者向けのならご池から始めてみましょう。釣り方は意外と簡単。フライを水面にそっと落として、魚が食べに来るのを待つだけ。もし反応がなければ、もう一度投げ入れてみましょう。
高橋:小魚ではなく空中や水面に落ちた虫に見立てて、誘き寄せるんですね。
齋藤:そうです。季節や時間帯、川にいる魚の種類によって、効果的なフライが変わります。コツは、魚が食べている虫に似たフライを選ぶこと。その都度、ピッタリなフライを見つけるのが楽しいんです。合うものが見つかるとたくさん釣れますよ!
高橋:釣り竿を投げ入れるの、案外難しい...!
齋藤:竿を思いっきり前に投げるイメージでトライしてみて! 魚が食いつきそうなポイントに投げ入れるのもコツです。パクっと魚がくわえたら、竿を上にあげてフライラインを手繰り寄せると逃さずに釣れますよ!
高橋:だんだん、投げるのに慣れてきた気がします。あとは、お魚さんが食いついてくれれば....!
齋藤:高橋さん、感覚を掴むのが早いですね。竿さばきは、慣れるのみ! ここからは、フライフィッシングの醍醐味「魚が好きそうなフライ」を探していきましょう。フライの色を変えてみたり、場所を変えてみたり。色々試して見てください!
高橋:あっ、ヒットしたかもしれない! と思ったら、抜けちゃった...!
齋藤:惜しい~。水面の下の世界を想像しながら、じっくり見て、観察していると竿を上げるタイミングが掴めるようになりますよ。
齋藤:ならご池で感覚をつかんだあとは、ストリームエリアへ。川の流れを読む必要があり、少し難易度が上がりますが、それも楽しいですよ。
高橋:ならご池と景色が変わって、ここも自然豊かで気持ちいいですね。あれ、フライの様子が違うような。もしかして掛かっている?
齋藤:そのまま集中~!
高橋:やった、釣れたー! フライの色、糸の色や細さを変えてみたら、すぐにヒットしました。めちゃくちゃ嬉しいです!
齋藤:おめでとうございます! ここからはどんどんヒットすると思いますよ。今使っているドライフライから、ウエットフライも使ってみましょうか。水に沈むので魚が喰い付いたか判断がしにくいので、難しいですが、ウキ(インジケータ)を使うとヒットしたかどうかわかりやすくなりますよ。
高橋:さっそく、2匹目もヒットしました! どのフライがいいか色々試しながら、探り当てる楽しさはコレか~!
自分で釣った魚をその場でガブリ! ご当地グルメもいただきます。
奈良子釣りセンターでは、自然の中で釣りを楽しんだ後、自分で釣った魚をさまざまなアレンジで楽しめる。釣り上げた魚を管理釣り場のスタッフさんが丁寧に処理し、調理してくれます。プロの手にかかれば、素人では難しい魚の下処理も完璧。釣りの醍醐味を存分に味わった後は、美味しく調理された魚に舌鼓を打つことが可能。
今回は、ニジマスの塩焼き、ガーリックバターソースをたっぷりかけたフランス焼き、フレッシュオリーブオイルとブラックペッパーをかけたイタリア焼きを堪能しました。
高橋:美味しい~! 自分で釣った魚だからこそ感じられる特別な味わいに、心が満たされます。熱々の塩焼きにかぶりつくのがたまらないです。思わず声が漏れるほど、どの料理も絶品でした。
齋藤:奈良子で味わえるのは魚だけじゃないんです。奈良子釣りセンターのある山梨の郷土料理である「ほうとう」も僕のイチオシです。
高橋:塩焼きの後に食べる温かいほうとうに身も心も満たされて、ほっこり。郷土料理も味わえるなんて、その土地の良さも感じられるのは、最高ですね。
高橋:大自然の空気はとっても気持ちが良くて、川のせせらぎに癒やされながら釣りをする時間は、都内ではなかなか味わえないひとときでした。新鮮な魚を味えて、五感をフル活用した贅沢な体験です。釣れたときの感覚が忘れられないな~!
釣りの沼へようこそ、さらに釣りを楽しみたい人にオススメショップ&スポット
高橋:すっかり釣りの魅力に夢中です! 釣りの道具も欲しくなっちゃいました。
齋藤:釣りの道具を買うなら、都内からアクセスしやすい渋谷にお店を構える「サンスイ渋谷店 Part 1&Part 2 SHIBUYA SANSUI」と僕もよく行く「上州屋八王子店」がオススメです。店員さんが丁寧に相談に乗ってくれると思いますよ!
高橋:何を買えば良いか分からないと心配していたので、心強いです! 困ったときに教えてくれる先生がいるとビギナーにとっては安心ですね。
齋藤:慣れるまでは、教えてくれる人がいる釣り場に行くのもオススメです。奈良子釣りセンターは、管理している渡辺さんに声をかければ助けてくれるはず! 僕も西武遊園地の流れるプールを利用した「多摩湖駅前フィッシングエリア」を運営しているので、いつでもレクチャーしますよ!
高橋:次のオフは、さっそく釣り場に行ってみようかな~!
オススメの釣り場
・多摩湖駅前フィッシングエリア
アクセス:JR中央線「国分寺」駅から西武鉄道多摩湖線にて「多摩湖」駅(直通電車で17分)
ウェブサイト : https://www.s-fishingarea.com/
オススメの釣具店
・サンスイ渋谷店 Part 1 & Part 2 SHIBUYA SANSUI
ウェブサイト : http://shibuya.sansui1902.jp/
Instagram : @shibuya_sansui
・上州屋 八王子店
※「Beyond magazineを見た」と伝えると、丁寧な説明を受けられるかも(笑)。
監修:齋藤 竜也
Text:乙辺 さゆり
Photo:Hide Watanabe
Edit:舩岡 花奈