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自分を見失わずに生きるには?

岡本ゆい、 浦塚蒔⼠、渡辺そらに聞く「本来の自分」の保ち方

author: Beyond magazine 編集部date: 2024/11/18

あなたは普段、泣き言を言えているだろうか? 家に帰ってもオンラインで常に誰かとつながっていられて、暇があれば膨大なコンテンツを消費できる現代生活のなかで、自分の弱音や本音と向き合う時間をとるのを忘れてしまいがちではないだろうか?
 
本稿では、心のヘルシーさを保つためにも自分の“ネガティブな部分”と向き合うヒントを探るべく、モデルやアーティストとして活躍する岡本ゆいさん、 浦塚蒔⼠さん、渡辺そらさんの3人に、「本来の自分」を保つために行っていることを伺った。
 

 岡本ゆい(俳優・モデル)「本来の自分は『赤ちゃん』みたいな状態」

岡本ゆい

宮城県、仙台市出身。高校生の頃から活動をスタートし、ファッションブランドや企業広告を中心に活躍。繊細な声、瞳から溢れ出る感情など、その豊かな感性を活かして近年では俳優としてキャリアを重ね、映像作品や舞台作品にも果敢にチャレンジ。

Instagram: @yui_okamoto_
X: @okayuisi06

🆀1. 泣き言を言うときはありますか❓

普段泣き言はあんまり言わない方かもしれないです。何か思っても「言うほどのことじゃないかな?」とか考えてしまって。言わないでずっと自分のなかで蓄積していって、「もうダメだ」ってなったときに、家族や親しい友人やマネージャーさんとかに話します。話すことで自分が感じていたことを整理したり、言語化できたりするんですよね。アドバイスをもらうことで、自分の視野が広がることもあります。

🆀2.「自分を見失っている」と気づくには❓

友だちのことを気にかけられなくなったときに、「自分らしくいられていないな」って思います。仕事柄スケジュールに波があるので、忙しいときは普段気にかけている友だちのことを忘れてしまったり、自分のことばっかり考えちゃったり……。あと、同じお仕事をされている方をいつもは「一緒に頑張っている」って思えるのに、忙しい時期にはライバル視しちゃうこともあって。そういうときに、気持ちがなんか「ドロドロになってきている」って思って、嫌になります。

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岡本さんお気に入りの風景(岡本ゆいさん撮影)

🆀3. 意識的に自分のメンタルヘルスと向き合う時間をつくっていますか❓

私は小さい頃から「自分と向き合い過ぎてしまう性質」を持っていて。幼稚園の頃からいろんなことが疑問だったんです。「なんで幼稚園に行かなきゃいけないの?」とか「友だちってなんで作らなきゃいけないの?」とか、そんなところから始まって、すべてのことに疑問を感じるってそんな自分がおかしいのかな、と考えることもありました。なので、逆に意識的に“向き合わない時間”をつくることを心がけています。

今はあえて読書したり映画を観たりすることで、自分と向き合わない時間をつくるようにしているんです。特にここ数年は絵を描くことが大切な時間になっています。

私は「色」が好きで、普段見ている景色を描くときは“ありえない色”を入れてみたりするんです。そうすると、悩んでいたことがどうでもよくなってきます。偏見とか凝り固まった考えみたいなものがなくなっていく感覚というか……。

ちょっと前に描いたもので、人間の瞳の中に鳥がいて、その鳥は森の中にいて、そしてその鳥を囲むように魚が泳いでいるという絵があるんです。その風景は現実世界ではあり得ないけど、絵の中では「世界の当たり前」みたいなものを壊したいというか。みんな一緒に生きているんだっていうことを考えたり絵で表現したりすると、あたたかい心になれる感じがします。

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岡本ゆいさんが描いた作品

🆀4.「本来の自分」ってどんな状態だと思いますか❓

「赤ちゃん」みたいな感じかもしれない。なんというか、全部をそのまま受け入れられる状態というか……。いつも割と素でいるようにはしているんですけど、なるべく全部のことを新鮮に感じられる人でいたいなって思うし、「本来の自分」はそういう人だなと思います。

🆀5.「本来の自分」がまだ分からないという方にアドバイスはありますか❓

みんなそれぞれが毎日を過ごしていると思うんですけど、もうそれ自体が自分らしさなんじゃないかと思います。なんと言うか、そのときそのときにどう思って何を感じて、そういったこと自体が“自分らしさ”なんだと思います。それに、そのときそのときで自分が違ってもいいと思うんです。自分が好きな人たちと好きなことを自由にしていたらいいんじゃないかなって思います。


KOMOREBI 浦塚蒔士(アーティスト・モデル)「大切な人って自分の鏡」

浦塚蒔士

2001年、神奈川県出身。KOMOREBIとしてアーティスト活動や、モデルとしても活動中。

Instagram: @maxi6rz
X: @maxi6rz

🆀1. 泣き言を言うときはありますか❓

自分が親戚含めても長男ということもあって、泣き言を言うのはちょっとかっこ悪いみたいなイメージがあるんですけど、でもいざ話すときは涙流しちゃうこととかもありますね。KOMOREBIというグループで活動していくなかで、メンバーと「包み隠さず思ったことは言う」っていう文化があって、それに影響されて自分のことも言えるようになってきたっていう実感はあります。もともと感情的になりやすいんですけど、ただ気持ちをぶつけるんじゃなくて、相手に伝わる言い方をするように言葉を選ぶようになりました。

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KOMOREBIメンバーとの1枚

🆀2.「自分を見失っている」と気づくには❓

やっぱり仕事が忙しくなると自分と見つめ合う時間が少なくなって、気づいたら落ち込んでいることもあります。例えばライブでのちょっとのミスでもすごく気になったりとか、機材トラブルですごいストレスを感じたりとか。そういうときに「余裕がなくなっている」=「自分を見失っている」と、気づきます。

🆀3. 意識的に自分のメンタルヘルスと向き合う時間をつくっていますか❓

ありきたりかもしれないですけど、音楽を聴いて、体を動かして、よく寝ています。あとは、車を運転するとか自分の好きなことを意識的にやるようにしています。メンバーと話して、ふざけて、ゲームするとかも。あと、音楽を聴くと「やらなきゃいけない」っていうマインドにしてくれるので、KANDYTOWNを聴いたりしています。ラッパー・IOさんが2019年にリリースした「player's section.」も好きです。それと、半年ぐらい前からコールドシャワーを浴び始めました。朝3分ぐらいコールドシャワーを浴びると気分がめっちゃいいです。気づいたらルーティンになっていました。

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🆀4.「本来の自分」ってどんな状態だと思いますか❓

自分のことは結構寂しがり屋だなって思っていて。一人の時間は必要なんですけど、いざ一人になると寂しく感じたり。そういう状態が自分の素に近いのかなって思います。自分は、過去にいろんな人にインスピレーションを受けて段々今の自分になってきている感覚があって。まだ段階の途中だからどれが自分って言えないんですけど、リリックを書いていると見えてくるものがあったりします。過去に書いたリリックをライブで歌うと感じ方が変わっていて、音楽を通して自分の過去と今を感じたりします。

🆀5.「本来の自分」がまだ分からないという方にアドバイスはありますか❓

大切な人を大切にすること。仲間とか家族とかパートナーとか、そういう人たちを大切にする。そのうえで、自分の好きなことを大事にして、なりたい自分を目指すこと。

大切な人って自分の鏡だと思っていて。大切な人がまわりにいるなかで自分の良さも悪さも鏡として見えると思うんです。周りの人にも目を向けていると、結果的に自分が心地いい自分でいられることに繋がるはず。

だから、まずは話し相手を見つけることが大事なんじゃないかな。絶対にいい人たちって周りにいっぱいいると思うんですよね。世の中悪い人ばっかりじゃないと思うから。

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渡辺そら(モデル)「自分のネガティブなところをオリジナリティの一つとして受け止める」

渡辺そら

グロッシーな雰囲気と豊かな表情が同世代に人気を集め、Instagramではフォロワー10万人を超えるモデル。現在はアパレルモデルやWEBメディア、広告出演など幅広いフィールドで活動中。

Instagram: @soralani__

🆀1. 泣き言を言うときはありますか❓

あんまり言う自覚はないかもしれないです。気持ちを隠すというより、年々割と自分のなかで消化できるようになってきました。でもやっぱり、家族にはカジュアルな感じで何でも話します。「自分の頭の中だけで考えていたこと」を言葉にして伝えると、整理されてすっきりします。

家族との思い出の1枚

🆀2「自分を見失っている」と気づくには❓

そうですね……。半年前ぐらいに実家を出たのですが、実家にいたときは日常的にあったことを家族に伝えるっていうことができていたから、気づかないうちに「本来の自分」でいられたんだなってことは感じています。

SNSで活動をしていると不特定多数の方に見ていただいているぶん、表面的なことしか知らない方がほとんどだと思うので、たまにそのことがすごく怖くなったりするんです。他人の目を気にしないってすごく難しいことだと思うんですけど、そういうときこそ「自分が大切に思う人」を自分ができる限り大切にして、そちらに意識を向けています。

🆀3. 意識的に自分のメンタルヘルスと向き合う時間をつくっていますか❓

毎日できているわけではないのですが、メディテーションをしたり、ジャーナリングをしたりしています。あとメンタルヘルスに関するポッドキャストを聴いたりもします。『感情言語化研究所』シリーズとか、英語のものだと『Pretty Lonesome with Madeline Argy』とかを聴いています。ジャーナリングは、子どものときから日記を書くのが好きで、ふとしたときに見返しています。

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ジャーナリングに使っているというノート

最近だと、ジムやピラティスなど運動を始めました。元々運動がすごく苦手なんですけど、始めたら生活リズムが整って暴飲暴食してしまいがちだったのがクリーンな食事にできて、メンタル的なモヤモヤがすっきりした感じがあります。SNSとかで情報がたくさんあるので、前は極端なダイエットとかをしてしまっていたのですが、日常で力がでなかったり立ちくらみしちゃったりしたことがあって、変えなきゃって思って。痩せるというよりは健康でいることを目指すようになって、徐々に変わっていきました。

🆀4.「本来の自分」ってどんな状態だと思いますか❓

私はすごくだらしない人間なのですが、それを安心して出せる友人やパートナー、家族といるときに「本来の自分」でいられると感じます。

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渡辺そらさんの幼少期

🆀5.「本来の自分」がまだ分からないという方にアドバイスはありますか❓

私もまだまだ誰かに言えるほどじゃないんですけど、「自分のネガティブなところをオリジナリティの一つ」として受け止めることが大切なのかなと思います。

私も自分のだらしない部分だったりとか、何かそういったネガティブなところを自分の中でマイナスに捉えていたんですけど、それを自分のオリジナリティの一つなんだなって受けとめることで、自己理解に繋がっていった気がしています。

あとは、人にやさしくいるために心に余裕を持つように心がけること。自分の機嫌の取り方を自分で模索して、寝るでも食べるでも何でもいいと思うんですけど、自分のことをより知れるようにゆっくりでも頑張れればいいのかなと思います。

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Take it easy!

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