コロナ禍が長引くいま、空気清浄機の重要性はますます高まっています。とはいえ「除菌」と表示がある製品でも、新型コロナウイルスに本当に効くのか不安という人も多いのではないでしょうか? そんななか、スウェーデンの空気清浄機メーカー・ブルーエアが、アメリカの公式サイトにて面白い情報を公開しました。それが「主要な空気清浄機メーカーとしては、はじめて『生きた』コロナ(SARS-CoV-2)ウイルスに対するテストを行った」という記事です。
他社との違いは「生きたSARS-CoV-2」で実験を行ったこと
「Blueair's Response to Coronavirus(コロナウイルスに対するブルーエア(の空気清浄機)の反応について」と題されたこのページでは、実験の詳しい状況について書かれています。
まずコロナウイルスの感染経路について説明。CDC(米国疾病対策予防センター)によると、コロナウイルスの主な感染方法は、呼吸器からの飛沫感染。そして、飛沫への曝露は、握手をはじめとする直接の接触のほか、空気中を舞ってエアロゾル化したウイルスを介しても起こるとのことです。
そこで、ブルーエアはエアロゾル化したコロナウイルスを使った実証実験を行いました。いままでも、コロナウイルスを使用した実験はありましたが、他社との違いは「生きたSARS-CoV-2」で実験を行ったこと。他社が行う従来までの実験では、コロナウイルスの代替品や似た性質の物質を利用していたそうです。
ただし、エアロゾル化した生きたコロナウイルスの検査に対応できる研究機関は世界的にも希少。そこで、今回は独立した第三者機関である米国のMRI Global社で実験が行われました。MRI Global社は、DOD(米国防総省)、CDC(米疾病対策予防センター)、EPA(米国環境保護庁)、NIH(米国立衛生研究所)などの政府機関や産業界のパートナーからの受託を行っており、安全性と専門性において実績のある研究所です。
実験では最初に空気清浄機を使用しない場合のウイルス濃度を計測。ここでは空気清浄機をオフにした状態でネブライザーでウイルスを放出し、ファンで10分間空気を循環させてウイルスを部屋中に分散させます。さらに5分後にサンプルを採取し、空気中のコロナウイルス粒子の濃度を測定。この実験を3回繰り返した平均値がウイルス濃度の基準値となります。
エアロゾル化した生きたSARS-CoV-2は99.99%が除去
次に、ウイルス放出後にファンで10分空気を循環させるのと同時に空気清浄機「Blueair Protect 7410i」を動作。さらに5分後に空気サンプルを採取し、エアロゾル化したコロナウイルス粒子の濃度を測定するという実験を3回繰り返しました。測定の結果、空気清浄機を使用しなかった場合と比較すると、試験室内の空気中にエアロゾル化した生きたSARS-CoV-2は99.99%が除去されたそうです。
この記事は2021年4月に公開されたものですが、ブルーエアは5月3日にこの実験について英語圏向けのプレスリリースも発表しています。
「Blueair’s Protect tested to remove live SARS-CoV-2 Virus(ブルーエアのProtectが生きたSARS-CoV-2ウイルスを除去するテストを実施)」と題されたこのプレスリリースでは、実験でProtectが99.99%の生きたコロナウイルスを除去できたことを説明。さらに、空気中のSARS-CoV-2ウイルスを除去することに加えて、Protectシリーズがウイルスやバクテリアから24時間365日守ってくれる唯一の空気清浄機だと説明しています。
また、Protectの最先端技術として以下2つの機能を列挙しています。
・HEPASilent Ultraは静電式で有害物質をフィルターに吸着させることで、ウイルスや細菌、ほこり、花粉、ふけ、カビを99.97%、VOCやにおいまで除去できる技術。フィルターに捕らえられた細菌も、この独自技術により99%除去可能だそう。また、HEPASilent Ultraは、従来のHEPAフィルターと比較して清浄度が50%向上。さらにエネルギー消費量が55%、騒音は10%減少しているそうです。
・GermShieldは空気清浄機が停止中でも部屋をモニターし、低風量とプラズマによりフィルターに付着した細菌を除去する技術。優しい風を送ることで、フィルター上で細菌が繁殖することも防ぐそうです。