食べ物に気を配る人が多い一方、空気の「質」は忘れ去られがち。しかし、人間が体内に取り入れるものの8割以上は空気で、食事の実に10倍以上の重さの空気を毎日吸い込んでいます。これだけでも、空気がどれだけ人の健康に影響するかを想像できるのではないでしょうか? この空気から有害物質を取り除くのが空気清浄機ですが、最適な空気清浄機の選び方がわからない人も多いはず。そこで、家電のスペシャリストである滝田勝紀が空気清浄機を選択するポイントについて解説します。
空気の質を考えれば、断然「単機能」タイプ
家電量販店で空気清浄機をチェックすると、よく目にするのが「加湿空気清浄機」タイプ。これは、名前の通り加湿器と空気清浄機ふたつの機能を搭載したハイブリッド製品のこと。一台で空気の清浄と加湿が同時にできるため、一見すると便利でお得にも思えますが、専門家として薦めたいのは空気清浄機能のみの「単機能」タイプです。単機能タイプを薦める理由を、主なポイントとして3つ挙げます。
性能は本体サイズで決まる
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高機能な空気清浄機は、大風量を実現するためのパワフルなファンと高性能なフィルターが必要です。このため、空気清浄機は高性能になるほど本体サイズは大きくなります。一方、加湿機能を搭載すると、同じ本体サイズでも加湿機能に容積の一部をとられてしまいます。つまり、空気清浄機としての機能は、同サイズの製品より中途半端になる傾向があるのです。
しかも、加湿器は湿度の高い梅雨や夏には必要ない機能。にもかかわらず、加湿器を使わない季節でも一年中「加湿器込みのサイズ」の空気清浄機を部屋に置くのはスペースの無駄でもあります。
設置すべき場所がまったく違う
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冬に使用することが多い加湿器は、直風があたらないエアコン(暖房)直下に置くことがおすすめ。この位置なら加湿器から吹き出す湿度の高い空気が、エアコンの温風にのって効率よく部屋に拡散するからです。一方、空気清浄機の設置位置はエアコンと一番離れた部屋の対角線上がおすすめ。ここなら、エアコンの空気の流れを邪魔せずに効率よく部屋の空気を清浄できます。つまり、加湿器と空気清浄機はそもそも「置くべき場所」がまったく異なるのです。
加湿機能付きはお手入れが大変
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加湿器は水が必要な家電です。このため、濡れているタンクや加湿フィルターの定期的なお手入れが必須。ですが、加湿機能付きの空気清浄機は内部構造が複雑でお手入れがしにくい製品も多くあります。そのうえ、水がある場所は雑菌やカビが繁殖しやすいため、お手入れをサボることで菌やカビの発生源になることも。空気をキレイにするはずの空気清浄機が、雑菌やカビを部屋にまき散らしたら本末転倒です。
いま選ぶべき大本命はバルミューダ
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当たり前ですが、単機能タイプならどんな空気清浄機でも良いわけではありません。そのなかで、あえてここで薦めたい製品が、バルミューダのタワー型空気清浄機「BALMUDA The Pure」です。
BALMUDA The Pureを薦める理由のひとつがデザイン性の良さ。空気清浄機は人の目に付く場所で365日24時間稼動させる家電。このため「見た目が邪魔にならない」ことはかなり重要です。
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デザイン家電の雄であるバルミューダのBALMUDA The Pureなら、設置面積がA4サイズ以下とコンパクト。そのうえ余計なデザインを排除したシンプルな見た目で、どんな部屋にも違和感なく馴染みます。
もちろん空気清浄能力も優秀です。厚生労働省が感染症対策として推奨する空気清浄機は「HEPAフィルタによるろ過式で、かつ、風量が毎分5㎥程度以上」というもの。HEPAフィルターとは、簡単にいえば0.3μmの超微小な粒子も99.97%以上捕集できるレベルのフィルターですが、BALMUDA The Pureも0.3μmの微粒子を99.97%以上捕集するTrueHEPAフィルターを内蔵します。
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そして、空気清浄機の性能でとくに注目したいのがパワフルさ。空気清浄機には「適用床面積」が定められています。これは「決められた汚れを30分で清浄できる部屋の広さ」のこと。たとえば適用床面積が8畳の空気清浄機なら、8畳の部屋の汚れを約30分で清浄できます。おすすめは「設置する面積×2倍」以上のパワーがある空気清浄機。同じ8畳の部屋を清浄する場合でも、適用床面積が25畳ある空気清浄機なら約11分で部屋の空気をキレイにできます。つまり、部屋の大きさにかかわらず、適用床面積が大きいほど汚れに素早く対処できるのです。
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厚生労働省が毎分5㎥以上の風量がある空気清浄機を推奨するなか、BALMUDA The Pureの最大風量は毎分7.3㎥。適用床面積は36畳で、8畳の部屋ならなんと8分で清浄できるパワフルさがあります。
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人は毎日約12,500Lの空気を吸い込むといわれていますが、約2分で一日分の空気を清浄化できる計算です。しかも、本体には航空機のジェットエンジンに使われるテクノロジーを応用した「整流翼」を配置しており、大風量なのに駆動音も静か。
もちろん、世の中にはより大きな適応床面積の製品もありますが、ここまで大風量かつ洗練されたデザインながら、59,400円(税込)というコストパフォーマンスの良さは他にはない魅力といえるでしょう。
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冒頭でも説明したように、身体に一番多く取り込むものが「空気」。そして、空気は食べ物と違って「汚れているから吸わない」と意識的に避けることはできません。大事な自分と家族のために、しっかり素早く空気をキレイにできる空気清浄機を選び、健康的な毎日を過ごしましょう。
取材協力:バルミューダ
Text:倉本春