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こばかなの、無駄話から生まれる“感性”の法則

春だから、これまでの人生の選択について考えてみた

author: こばかなdate: 2023/05/18

外からの力が作用しなければ、物体は静止、または等速度運動を続けるという「慣性の法則」をなぞり、「こばかなの無駄話から生まれる“感性”の法則」と題した連載。こばかなさんと無駄話をして、日々の生活で静止しがちな思考を動かし始めよう。第15回目は、この春から新生活を始めた方に向けたお話し。

人生を何度もやり直せるとしたら

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この間まで放送していた『ブラッシュアップライフ』というドラマにハマっていました。主演は安藤サクラさん、脚本はバカリズムさん。30代で交通事故に遭って亡くなった主人公が、人生を何度もやり直すという話です。主人公は前回の人生の記憶を引き継いでいる設定で、以前の反省を踏まえてどういう選択をするのかという問いがとても面白かったんです。

私がいま昔に戻れるとしたらどうするか……。パッと思いついたことで言えば、音楽に打ち込みたいなと思いました。ただ、これは最近見た映画『ブルージャイアント』に影響を受けているんですが(笑)。

もう少しリアルなところだと、大学にちゃんと通っていれば良かったなと思います。私は美大出身なのですが、真面目に大学に行っていたタイプではなくて。でもアートに打ち込める機会って社会人になると少ないし、それをしっかりやらずにここまで来たことに若干の後悔があるんです。

受験疲れの反動による美大時代

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私は予備校に2年通い、2浪して美大に入りました。話題になった美大受験マンガ『ブルーピリオド』がありましたが、まさにそんな感じで。1浪目は携帯を解約したりもして、かなりストイックに勉強してました。

ただ、2浪目で通っていた予備校の先生に「お前の絵は大手予備校の指導法に毒されていてつまらない」とディスられ、逆に現役の子が褒められたりして……。何とか美大には入れたものの、案の定受験疲れしてしまったんです。それで、大学で勉強を頑張るぞみたいな気持ちになれませんでした。

その上、周りには現役でさらっと入った人もけっこう多かった。温度感が違うので仲良くなれませんでした。だから大学の最初の2年間はほとんど記憶がなくて、ずっとツイッターやってたことくらいしか覚えてない(笑)。そこで知り合った人と飲むみたいな、エリートとは真逆の美大生活を送っていました。

クリエイターにならなきゃ、という呪いから解放された

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私の場合、人生が落ちるところまで落ちると「このままではダメだ」とストッパーがかかる傾向があって。就活が始まる大学3年のときにスイッチが入り、就活を本気でやろうと思ったんです。ひとたび決めると私はとことん突き詰めるところがあって、大学には行かずにインターンばかり行く生活を送りました。

私が在籍していた学科は大手の広告代理店で活躍する巨匠を数多く輩出する、大学内でも花形でした。でも私は、活躍が30代後半になりそうだったり、上下関係がなんとなく嫌だなといった理由で、またしてもその王道の道は選ばず。当時はUI/UXが流行っていたので、面白そうだと思ってWebの方向に進みました。

そんなこんなで自分の道を行こうとした大学生活だったんですが、やっぱりアートへの憧れは拭い去れなくて……。最近でも、コンプレックスを晴らそうと思って漫画家になろうかなとか、アーティストを目指そうかなどと考えたほどです。

ただ、自分が好きなのはビジネスだと正直に思えた瞬間があって、自分の中で少し整理がついた部分はあります。

クリエイターにならなきゃみたいな思いを、自分はこれまで呪いのようにかけていた。美大におけるものづくりは、自分の世界観を表現することが大事です。私はそれができなくて苦しんでいました。

でも社会人になってからのモノ作りは、目の前に課題があって解くというロジカルな頭の使い方がベースにあります。私の場合はその方がフィットしたし居心地が良かった。「自分はそういうビジネス的なものづくりが好きなんだ」という事実を素直に見つめられたとき、解放された感覚がありました。

社会人1年目こそ頑張るとき

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先ほどの就活の話もそうですが、人生って頑張るタイミングがあると私は信じていて。この春から新卒1年目の人もBeyond読者の方の中にもいらっしゃると思いますが、そんな人にはこの時期がとても大事だと言いたいです。この1年をどう過ごすかで、今後の職業人生におけるレバレッジが効くかが決まると思います。

新卒採用は基本、ポテンシャルでしか見極められません。だから、誠実に期待以上のパフォーマンスを出すように頑張るだけで、「仕事できるキャラ」に見られるんです。すると大きいプロジェクトを任されるようになったりして、複利的な効果があります。1年目だけでいいからめっちゃ頑張るべきだと、声を大にして言いたいですね。

私はそれまでWebにほとんど触れたことがなく、ポテンシャル採用で新卒の会社に入りました。一方で、同期はすでにWebのモノ作りをガシガシやっていた経験者が大多数。だから私はできない子扱いだったんです。でも最初の3カ月の研修で頑張ったり、その先も基本的な“ほうれんそう”を意識して、当たり前のことをちゃんとしていたら、いつしか一目置かれるようになった。

優秀と言われる人の振る舞いって、ある程度テンプレ化されている気がしています。『新卒1年目の教科書』に書いてあるような基本をこなしているだけで信頼されるということは大いにあります。プロフェッショナルの心を持つこと、意識をシンプルに高く持つこと……。「これができたらいいんだろうな」と頭の中に浮かぶことを、誠実にやり続けていくことが大事だったりします。

Text:弥富文次

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THE COACH 代表
こばかな

THE COACH 代表。デザイナーとして株式会社DeNAに入社後、株式会社THE GUILD、フリーランスを経て株式会社THE COACHを創業。キャリアとエグゼクティブを中心にコーチングの実績400人以上。国際コーチング連盟認定コーチ(ACC)。開講以来、講師として150名以上のトレーニングを担当。Twitterやnoteでコーチングについて発信しており、SNS合計フォロワー数6万人以上。
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