ここ数年はコロナ禍ということもあり、空気環境を整える家電に注目が集まっている。中でもサーキュレーターは空気を循環させ、部屋を効率よく換気できるため、使用する方が急増。特に今年は電気代が高騰しており、エアコンの冷暖房の効率を上げるために導入する方も多い。サーキュレーターを使うことで空気を循環させて室内の温度ムラをなくし、部屋全体を冷やせる。暖房運転の場合は設定温度を1℃下げることで約10%の省エネにつながると言われており、しっかりと部屋の空気が対流するタイプを選びたい。
そこで、今回は比較的コンパクトで置きやすい20~35畳前後用の製品をピックアップ。家電プロレビュアーの石井和美さんが、風の強さや使い勝手、お手入れのしやすさを含めて評価を行った。
・「風速」では、風速計を使用し、最弱と最大の風速を30cm離した場所で計測。
・「風の届きやすさ」では、1mごとに4本ろうそくを立てて、どこまで消えるかチェック(最大4m)。
・「操作性」では、風速計を使用し、最弱と最大の風速を30cm離した場所で計測。
・「音の大きさ」では、小型デジタル騒音計で最小と最大値を計測。数値が低い方を高評価とする。
・「お手入れ」では、ガードが外しやすさ、羽根のお手入れのしやすさをチェックする。
・「独自機能」では、ほかにはない便利な機能をチェック。実用性が高いものは高評価。
置き場所にゆとりがあるならイチオシのサーキュレーター
Brand ボルネード
Item ボルネード 660-JP ホワイト エア サーキュレーター モダン
price 2万2385円(消費税込)
spec
本体サイズ(約) 幅300 x 奥行350 x 高さ380mm
質量(約) :3.3kg
消費電力 :46W(ターボ)、40W(強)、34W(中)、29W(弱)(50Hz)、53W(ターボ)、43W(強)、36W(中)、29W(弱)(60Hz)
適用畳数 :6~35畳
首振り角度 :×
風量調節 :4段階
リモコン :×
「ボルネード 660-JP ホワイト エア サーキュレーター モダン」の特徴
ボルネードACモデルの定番モデル。直進性の強い竜巻風が天井や壁をつたって空気の流れを作り、部屋全体の空気をやわらかく循環できる。ボルネードのサーキュレーターは世界中で販売されている。金属製の角度調節バーにそって0度(真横)から90度(真上)まで角度調節ができる。首ふり機能はあえてつけていない無駄を省いたシンプル設計。大型のパワフルさを兼ね備えた中型サイズのサーキュレーターだ。
CHECK!「風速」
風量調節はターボ/強/中/弱の4段階。一番弱い「弱」でも3.5m/s、最大では6.8m/sとパワフルだ。羽根が大きいので広い範囲で一気に気流をつくることができる。
CHECK!「風の届きやすさ」
風速「2」でも、2本目(2m)までろうそくが消え、3本目(3m)も消えそうに。最大「ターボ」では4本目(4m)のろうそくも消えそうなほどゆらめいていた。
CHECK!「操作性」
後ろガードに電源ボタンと風量ボタンが4つ並んでいる。シンプルで迷わず操作できた。ただ、上に向けると裏側になってしまうので、のぞきこまなければならず、少々面倒。
CHECK!「音の大きさ」
実測で47.8.~65.6dB。サイズが大きめなので一見音が大きそうに見えるが、高い音ではなく、風量を抑えると気にならない。
CHECK!「お手入れ」
ドライバーで3か所のねじを外さなければならず、後ろのカバーは外れない。部分的に気になるところは、エアダスターなどがあると便利だ。
CHECK!「独自機能」
他社製は風量を変えるときに連続でボタンを押したり、つまみを回したりする必要があるが、ダイレクトに好みの風量を押すことができて便利。
広い羽根で部屋の気流を大きく動かす
シンプルな操作性でパワフル、空気の淀みをなくす
直進的で大風量の風は、遠くまで風が届きやすい。羽根が大きいと無理なく広い範囲に風が届き、後ろから吸い込む力が強いので「冷暖房の効率アップ」といった目的にぴったり。エアコンの運転と同時にターボで部屋の空気を対流させ、ムラがなくなったら弱い風量でキープしておくと体感温度が変わる。風量テストでも、小さいサーキュレーターでは届きにくいところまで、しっかり風が届いていることがわかった。首振りなどの機能は付けず、一方向へ送風することでサーキュレーターとしての役割を果たす。
風量ボタンは4段階で、ボタンがそれぞれ分かれているので迷わず使える。風量を変えたいときに「弱」「中」「強」「ターボ」のボタンをダイレクトに押せるのは便利だ。ただ、上に向けると裏側になってしまうので、毎回のぞきこんで操作するのは少々面倒だと感じることがある。前面のわかりやすい場所にボタンなどがあるとうれしい。
お手入れ面では、ドライバーを使用して3カ所もネジを外さなければならないのは気になった。後ろガードも外すことができないので、ホコリの付着などがあった場合はお手入れが少々面倒だ。ただ、他社と比較するとそれぞれの部品に安っぽさがなく、しっかりした作りで長く使えそう。あえて複雑な構造、多機能にしないというポリシーで作られているので、長く使いたいという方はぜひチェックしてほしい。
なお、今回試した中では、羽根や本体サイズが大きめなので、設置スペースに制限がある方であればサイズを確認してほしい。
製品貸与:ボルネード