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従来に一般常識を打ち破るフリースタイルTV

スマホのようにどこでも使えるTV「The Freestyle」

author: 山根 康宏date: 2022/02/25

最近のTVは大型化とともに薄型化が進み、室内では壁に取り付けることも一般化している。しかし狭い家ならTVを固定する場所もうまく見つからないだろうし、寝るときは寝室に持っていきたい、と思うこともあるだろう。TVは家の中では固定された場所に置くものなのだ。

サムスンが1月に発表した「The Freestyle」はそんなTVの一般常識を打ち破る新世代の製品だ。持ち運びは自由で室内のみならず屋外でも使うことができる。そしてTVにもかかわらず小型の円柱形のデザインも大きく目を引き付ける。

まるでスマホのようにどこでも使えるThe Freestyle

The Freestyleは実は小型のプロジェクターだ。プロジェクターというと「置き場所を作るのが面倒」「ピント合わせが必要」「ケーブル接続がわずらわしい」「画質がきれいではない」などなど、積極的に使おうと思えない製品と考える人も多いはずだ。ところがThe Freestyleは従来のプロジェクターとはまったく異なり、いつでもどこでも自在に使えるようなデザインになっているのだ。なお、投影できるサイズは30型から100型である。

4色展開でインテリアに合わせて購入できる

場所を取らない小型プロジェクターはさまざまなものが販売されているが、The Freestyleは本体に回転式のスタンドが付属しており、テーブルの上にわずかなすき間があれば設置できる。本体サイズは102.4 x 172.8 x 95.2mm。つまり、直径約10cmの場所があれば置くことができるのだ。さらにスマホやPCとワイヤレス接続できるので、普段使っているスマホの画面を大きく投影することも可能だ。

一般的なプロジェクターと異なり、設置面積は非常に小さい

しかしThe Freestyleがすごいのは、使う場所を選ばないオプションが用意されていることである。まずはバッテリーモジュール。円柱型の本体に、これまた円柱型のバッテリーを接続すれば、電源のないところでも使うことができる。

実はモバイルバッテリーをつないで使うこともできるため、The Freestyleは使う場所を本当に選ばないのだ。屋外のキャンプ、自宅のベランダ、レンタルオフィス、ホテルの室内、などなど、電源がないところや電源があるけれど部屋の一か所で遠い場所にある、というケースでも問題なく使うことができる。

モバイルバッテリーでも動作する

さらには電球のソケット型アダプターも利用できる。レストランで天井にあるライトの代わりにThe Freestyleを取り付けてテーブルの上にイメージ映像を投影する、なんて新しい使い方もできるわけだ。自宅ならば机の上のスタンドライトの電球の代わりにThe Freestyleを取り付けて、壁のみならず机上にスマホの画面を投影すればリモートワークも捗るだろう。

電球のソケットにも取り付け可能なアダプタを用意
スタンドに取り付け机の上にスマホ画面を投影できる

The FreestyleはWi-Fiを内蔵しており、スマートTV機能も搭載しているのでNetflix、アマゾンPrime TV、Apple TV、YouTubeもそのまま視聴できる。別途スティック型のアダプターなども必要ない。

また、ほかのサムスン製TVの画面をミラーリングして再生することもできるという。本体内には360度再生できるスピーカーを搭載し、マイクを使ってアマゾンAlexaの利用もできる。「電源オン」「XXを再生して」と、音声だけで見たいコンテンツを操作できるのだ。さらに前面に取り付けるカラーフィルターもあり、使わないときは室内をムーディーにするインテリアライトにもできる。

カラーフィルターで室内を照らすインテリアライトにもなる

The Freestyleはどんな場所にも持ち運んで利用できるだけではなく、電球のソケットアダプターを使えば今までは設置できなかった場所でもコンテンツ再生ができる。コンテンツもネット配信やTV番組だけではなく、スマホ画面の投影もできるためプライベートからビジネスまで利用範囲はとても広い。

特に店舗ではデジタルサイネージとして使うことも考えられるだろう。アメリカでは1月末に900ドル(約10万4000円)で発売されたが、予約時点で完売してしまうほどの人気になっている。日本でもぜひ発売してほしいものだ。

TVの概念を180度変えてしまうThe Freestyle。着せ替えスキンなども発売予定だ
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携帯電話研究家
山根 康宏

香港在住。最新のIT・通信事情を取材するため世界各国の展示会・新製品発表会を1年中追いかけている。日本のメディアに海外事情の執筆記事多数。訪問先では現地取材と称し地元のキャリアや家電店を訪問し必ずスマートフォンを買い求める。最新のハイスペックモデルからジャンクなレトロ端末まで興味の幅は幅広く、時には蚤の市で20年前の携帯電話を買っては喜んでいる。1度買った端末は売却せず収集するコレクターでもあり、集めた携帯電話・スマートフォンの数は1700台を超える。YouTubeでは日本で手に入らないスマートフォンや香港情報を発信している。YouTubeチャンネルは「yamaneyasuhiro」。Twitter ID「hkyamane」、Facebook ID「hkyamane」。
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