今回試したトースター5モデルは、食パンを美味しく焼けると評判の人気モデルだ。常温の食パンは、スーパーなどで売っている市販の食パンでも、表面はサクッと、中はもっちりとした焼き上がりになる。トースター本体に価格はどれも1万5千円前後から2万円台と高価格帯ではあるが、毎日のようにパンを食べるのであれば、ぜひ使っていただきたいモデルばかり。ただ、特徴はそれぞれ異なる。美味しさはもちろん、焼けるスピードや使い勝手の良さ、焼き上がりの個性も見極めてから、じっくり選んでいただきたい。
1位:シャープ ヘルシオ グリエ「AX-GR2」
今回、総合で1位だったシャープのトースターは、水を入れて使用するタイプだ。水蒸気を100℃以上に加熱させた「過熱水蒸気」で焼くため、水分を閉じ込めながら、一気に高温で焼き色をつけられる。そのため、外側はサクッとしており、中はしっとりしている。パンが本来持っている弾力や香りの良さを残しつつ、全体的にムラなくこんがりと香ばしさを楽しめる仕上がりとなっている。
2位:バルミューダ「BALMUDA The Toaster」
2位:パナソニック「ビストロ NT-D700」
バルミューダのトースターも水を入れて使用するスチームトースターで、やはり同じように中はもっちりとして、外はしっかりとした食感だが、シャープよりも香ばしさは強い。どちらかというとザクッとした食感と中のしっとり感のコントラストを楽しむタイプで、しっかりと焼き色がつく。
そして、どちらも共通しているのは、リベイクが得意なこと。ロールパンは焦げ目をつけることなく、中はしっとりしており、表面はピンと張りがある。バターや小麦の香りもしっかり楽しむことができて、満足度が高かった。
さらにシャープのトースターは、買ってから時間が経ってしまった食パンも、生食パンのふわふわ食感を再現できる。これは過熱水蒸気をうまく制御して水分をたっぷり含ませつつ加熱しており、感動のやわらかさだった。焦げ目をつけず、ふわふわのあたたかい食パンを楽しめるのはシャープだけ。あまり食べたことのない食感なので、かたいトーストが苦手な方も、これなら楽しめるだろう。子どもやシニアにもおすすめだ。
4位:アラジン「グラファイトトースター」
パナソニック、アラジン、シロカのトースターは、短時間で一気に高火力で加熱し、中の水分を逃さない。水を追加しなくても、もちもちとした食感が楽しめるので、食パンのトーストがメインであれば十分美味しく焼くことができる。
5位:シロカ「すばやきトースター」
パナソニックのトースターは、オートモードが豊富で迷わず操作できるため、おまかせで制御してくれるので失敗が少ない。アラジンのトースターは、立ち上がりが早く、あっという間に焼くことができ、香ばしい焼き上がりに。シロカのトースターは、ヒーターのコイルに工夫が施されており、ムラが少ない。
常温のトーストはどのモデルも満足度が高い
焼き上がりに個性があるので、好みに合わせて選ぶ
リベイクに関しては、シャープやバルミューダのように水を入れるタイプのほうが中までしっかり温まり、ふっくらと仕上がった。パンの温め直しなどをあまりしないのであれば、そこは考慮しなくてもいいかもしれないが、パンのリベイクが多いのであれば、スチームタイプは美味しく仕上がる。一方で、スチームタイプは焼くたびに水を入れなければならないので、忙しい朝などはそのちょっとした作業が面倒と感じる方もいるかもしれない。
ふだん食べるパンの種類や加熱時間、操作性なども含めて、自分にぴったりの一台を選んでいただきたい。
製品貸与:パナソニック、シロカ、バルミューダ、アラジン、シャープ