自分が持つものはすべて”本物”がいい、と考えている人も多いだろう。そんな人をターゲットにした”本物仕上げ”と呼べる、高級素材を使ったスマホを10年以上も作り続けているのがVERTU(ヴァーチュ)だ。
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VERTUは過去には日本でもケータイを販売していたが時期があり、銀座に専門店も構えていた。しかし当時は「連絡はドコモのメール」「情報収集はiモード」という時代だったため撤退してしまった。一方海外ではスマホの普及に乗り遅れたため、VERTUは一度は経営破綻してしまった。しかし今は新しい資本の元でこだわりのあるスマートフォンを送り出している。
2021年6月に発表された最新モデル「iVERTU」も、質感にこだわった仕上げで海外で静かな人気を呼んでいる。日本で発売されたらぜひ使いたい、いや、所有したい、という人もいるはずだ。
iVERTUの価格は中国で1万9800元、日本円で約32万円である。30万円を超えるスマホなどこの世に存在していいのだろうかと思うかもしれないが、製品を見れば納得するだろう。背面はイタリアのヘアカーフレザーを張り付け、高級感だけではなく心地よい肌触りの仕上げとなっている。市販のスマホに本革ケースを装着するのとは異なり、iVERTUはスマホ本体そのものが革でおおわれているのである。使い続けていくうちに風味が変わる、レザー製品と同じ感覚を味わうことができるのだ。
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iVERTUはスマホとしてのスペックも優れている。スマホの心臓部、チップセットはクアルコムの最上位となるSnapdragon 888を搭載、本体メモリは他社スマホのハイエンドモデルに匹敵する12GB、ストレージも大容量の512GB、ディスプレイサイズは大型の6.67インチ、バッテリーは4200mAhで55Wの高速充電に対応し満充電に要する時間は1時間ほどだ。そしてもちろん、最新の通信方式である5Gに対応している。ギガビットの超高速通信が体験できるのだ。
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カメラは広角6400万画素に加え、超広角も6400万画素。ワイド撮影から標準撮影までシームレスに高解像度で写真を撮れるのだ。それに加えて500万画素のマクロを搭載、3cmまで近寄れる本格的な近距離撮影を可能にする。4つ目のカメラは被写界深度測定用で、ボケのある写真も得意とする。30万円を超えるiVERTUだが、本体とカメラのスペックは数年使い続けることのできる性能だ。さらにカメラ周りはレンズを目立たせる最近のスマホにありがちなうるさいデザインではなく、フラットな背面にそのままレンズを埋め込んでいる。
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iVERTU背面のヘアカーフレザーはブラックだけではなくレッド、ブラウン、ブルーなどの色違いも用意。さらに上位モデルとしてリザード(トカゲ)レザーモデルもある。さすがにリザードレザーはコストが高いため本体価格は3万4800元、54万円に跳ね上がる。しかしリザードレザーが好きな人ならこの価格の価値は十分理解できるだろう。VERTUはこのように本体の素材を変えたモデルを出し続けているが、スマホの価値を性能ではなく素材で変えているのだ。
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そのほかの特徴としては、着信やアラーム音にはクラッシック音楽などがプリインストールされている。iVERTUをポケットの中に入れたまま、時たま流れてくる美しい音色は仕事中や食事中でもそれを中断することがなく「着信があったな」という意識だけを呼び起こしてくれる。ネットを介して24時間365日人やモノとつながっている時代だが、iVERTUならデジタル世界とのつながりを保ちつつも、自分の大切な時間を守ってくれる。
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スマホを消耗品ではなく所有品として使うことができるのがiVERTUの一番の魅力なのだろう。誰もが同じようなスマホを持っている中で、iVERTUを取り出して使えばたとえ周りの人が気が付かなくとも、自分自身は高い満足感を得られるはずだ。iVERTUが日本でも買える時代はいずれやってくるかもしれない。
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