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プロ家電レビュアーの冷蔵庫タッチ&トライ

スリムなのに大容量!モデルチェンジした三菱冷蔵庫の実力とは

author: 石井和美date: 2022/02/14

共働き世帯の増加やコロナ禍のまとめ買い需要で、大容量冷蔵庫の需要が伸びています。しかし、冷蔵庫を置くスペースは限られているので、キッチンにそのまま入るサイズで容量だけアップしたい、という方も多いのではないでしょうか。三菱電機の新冷蔵庫「中だけひろびろ大容量」シリーズなら、そんな願いを叶えてくれそうです。三菱電機の冷蔵庫を製造している静岡製作所で新製品説明会が行われましたので、レポートします。

MR-MZ60

スリムな本体はそのままに、ますます容量アップ

三菱電機の冷蔵庫スリムな幅で大容量が魅力です。高い断熱性能を持ち、扉や外壁を薄くした「薄型断熱構造 SMART CUBE」を採用しており、容量の大きい冷蔵庫を買いたくても、キッチンのスペースが狭くて諦めていたという方に人気です。

2022年1月25日に発売されるMZシリーズは、さらに容量がアップ。実に8年ぶりのフルモデルチェンジで、内容量が増えただけでなく、使いやすさも大幅に改善されています。

新モデルのMR-MZ60は、幅68.5cmで602Lと大容量。野菜室が中央にあるタイプの中で600Lは珍しく、昨年のモデルMX57と比較すると内容積は30Lもアップしています。30Lは買い物カゴ約1個分。なお、13年前に発売されたG52と比較すると、内容積は87L(買い物かご約2.5個分)も増加。庫内の収納量が増えることで、まとめ買いした食品もたっぷり収納できます。

比較をすると右側の新モデルMR-MZ60は冷蔵室が広々。一番上の棚も低くなっており、たっぷり入ります

サイズが変わらないのに内容積が増えた理由は、新ウレタン原液を採用したから。断熱性はそのままに側面や背面の断熱材を薄型化。冷蔵室の床面が下がり、中の棚が全体的に広々しています。また、扉の棚も一回り大きくなって、収納力が向上しています。

新ウレタン原液で、さらに断熱材が薄くなりました
扉の棚も一回り大きくなっています。右が新モデルのMR-MZ60
浄水ポットやウォータージャグなどを冷蔵庫に入れられるようにレイアウトも変更。「思うままボトルストッパー」でサイズに合わせて仕切りを変えられるようになっています

さらに、氷を作るための給水タンクも埋め込み式になりました。以前は冷蔵室の一番下の左側にありましたが、冷蔵室の底に埋め込まれたのでそのぶん引き出し「氷点下ストッカー」が横に広がり、「ひろびろ氷点下ストッカー」に生まれ変わりました。この引き出しは、氷点下で保存でき、肉や魚を入れることで一般的な冷蔵室よりも長持ちするスペースです。

以前のモデル(右)は横長の給水タンクで、持ち運びがしにくいというデメリットも
冷蔵室の底に収納できる「埋めっちゃタンク」。給水タンクのぶん、冷蔵室を広く使えるように
一番下の引き出し「氷点下ストッカー」がこんなに広くなりました(上がMR-MZ60)

また、内箱の傾斜を排除することで、デッドスペースが削減されました。従来の冷蔵庫は一番上の棚が高く食品の出し入れがしにくかったのですが、手が届きやすくなっています。500mLの缶も立てて入れられます。

女性や子どもでも食材を出し入れしやすいレイアウトに変わった

「中だけひろびろ大容量」MZシリーズは、幅65cmのMR-MZ54H(540L)も同時発売されるので、置き場所や家族構成によって選ぶことができます。

全室独立設計で温度管理がしっかりできる三菱冷蔵庫

三菱冷蔵庫は、全ての部屋が仕切られた独立した構造で、部屋ごとの温度や扉開閉などを見張り、無駄なくしっかり冷やしてくれます。幅広い温度帯で食品を保存でき、「なるべく凍らせたくない、でも鮮度を保ったまま保存したい」という方から支持されています。新シリーズも全室独立設計で、各部屋の温度制御は正確です。

特に人気が高い「切れちゃう瞬冷凍」は、凍っているのに包丁がスッと入るので解凍の手間がありません。「瞬冷凍」では、過冷却と呼ばれる現象を利用して、食品の内側から外側まで微粒子凍結させることにより、食品の鮮度を保つことが可能。単に冷凍するのではなく、綿密な温度制御を行っていることが特徴です。

実験では、凍結点より低くなっているにも関わらず凍結していない過冷却状態で、ボトルから注いだ液体が、注いだ先から凍っていく様子を見られました
約-7℃で凍らせていますが、挽肉もサクッと切れます。氷の結晶によって食品の細胞が破壊されにくく、解凍してもドリップが出にくいとのこと

一般的には、冷凍室と製氷室がつながっている場合が多く、氷にニオイうつりがする場合もありますが、そういった心配はありません。いつでも美味しい氷を作ることができます。また、扉は三重パッキンとなっており、冷気が漏れにくく、外の気温にも影響されにくい構造です。

基本性能に加えて使い勝手もよくなり、まとめ買いもしやすくなった

冷蔵室は、冷蔵ゾーンのほかに「ワイドチルド」(0℃前後)や「ひろびろ氷点下ストッカー」(-3~0℃)があります。ほかにも「切れちゃう瞬冷凍」(-7℃前後)などがあり、食品の素材や使う時期に合わせて分けて保存できます。これは三菱電機の冷蔵庫だけで、小分けして冷凍したり、解凍したり、料理前のちょっとした手間を省くことができるので、まとめ買いをする家庭にとって助かる機能です。

今回の新モデルでは、使い勝手も向上しています。たまごケースも、ユーザーの使い方に合わせて選べるようになりました。以前のモデルではたまごケースは棚でしか仕様できませんでしたが、ドアポケットにも設置できるようになっています。

たまごケースは扉に取り付けできます
棚にも収納可能

また、すべての部屋が仕切られた独立した構造だからこそできる「全室独立おまかせA.I」も進化しました。部屋ごとの温度や扉開閉などを見張ってムダなくしっかり冷やすほか、給水タンクは空から次に空になるまでの給水回数をカウント。収集した給水回数から、標準的な給水回数を算出し、予測します。そのため、水がなくなってからはもちろんですが、水がなくなりそうなタイミングでも給水ランプで通知。これなら氷をたくさん使うご家庭でも氷不足の悩みが解消しそうです。

蔵庫の足が他社と比較すると長く、倒れにくいので安心して使えます。こういった小さなところにも手を抜かないところもいいですね。地震が多い地域に住む我が家では、とても大事なところ……

大容量でも整理しやすく、食品ロスが減るかも?

今回発表されたモデルはすべて野菜室の引き出しが中央にあるタイプ。450L以上の大型冷蔵庫で、まとめ買いにぴったりの冷蔵庫です。

価格は“埋めっちゃタンク”を搭載し、容積がアップした「中だけひろびろ大容量」シリーズが2種類でMR-MZ60H(602L)が43万円前後、MR-MZ54H(540L)が39万円前後。埋めっちゃタンクなどがなく、全室独立おまかせA.Iを搭載したMR-MX50H(503L)が36万円前後、MR-MX46H(455L)が35万円前後、MR-MB45H(451L)が29万円前後(すべて税込み)。

大容量であっても出し入れや整理がしにくい冷蔵庫は食品ロスに繋がることもあるので、使いやすさは大事。これまでの三菱冷蔵庫の基本性能は優秀なものの、使い勝手についてはいまひとつといった印象でしたが、今回のモデルチェンジで大きく改善されていたので驚きました。これならストレスなく、たくさんの食品を整理して使えそうです。

取材協力:三菱電機

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家電プロレビュアー
石井和美

家電をレビューするため「家電ラボ」を開設、小物家電から冷蔵庫や洗濯機などの大型家電のテストも行っている。製品レビューや家電についての解説はWEB、雑誌、ラジオ、テレビなどで発信している。ライター、家電コメンテーター、家電コンサルタント。
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