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石井和美の家電やりすぎ比較レビュー<ドラム式洗濯乾燥機>

第4位:乾燥能力がアップ!プラズマクラスター搭載のシャープ「ES-W114」

author: 石井和美date: 2022/01/17

ドラム式洗濯乾燥機の売れ行きが好調だ。コロナ禍以降、衛生面を気にする人の増えた影響で、しっかり汚れが落ち、外干しだけではなく乾燥まで行えるドラム式洗濯機に注目が集まっている。そんな最新ドラム式洗濯乾燥機は、洗剤・柔軟剤自動投入機能がトレンドだ。今回紹介する4社はこれらにすべて対応しており、ボタンを押すだけで適量の洗剤や柔軟剤が投入され、洗濯から乾燥まで行える。そこでプロ家電レビュアーの石井和美さんが汚れ落ちやお手入れ面などをチェックした。

・「汚れ落ちテスト」では、醤油、ソース、ケチャップ、ワイン、口紅、ファンデーションをTシャツに付着させ、しっかり乾かして表面が硬くなった状態で洗濯から乾燥まで標準コースで行った。

・「洗濯後のシワ」をチェック。バスタオル3枚、ハンドタオル、Tシャツ、シャツ2枚、子供用のズボン、女性用の綿シャツなど3kgほどの洗濯物を入れて乾燥を行い、同じシャツ2枚から状態がよいものを撮影。

操作のしやすさ、パネルやボタンの見やすさ、扉の開けやすさなど、「使いやすさ」を総合的に見て評価を行う。

・「お手入れのしやすさ」を確認する。乾燥フィルターや排水フィルターなどのほかに、洗濯槽内のホコリなどについてもチェックする。

・「オリジナル機能」では、他社にはないような独創的な機能が本当に便利なのか、実際に使ってみた感想を。

・「外観のサイズ」をチェック。ドラム式洗濯乾燥機は大きくて入らない場合も多いので、コンパクトであれば高評価。

素材を見極め、乾燥ムラを抑制する「ハイブリッド乾燥NEXT」搭載

Brand シャープ

Item  ES-W114

price 33万8800円

spec
洗濯・脱水容量:11kg
洗濯~乾燥・乾燥容量:6kg
外形寸法:幅640㎜×奥行727mm×高さ1115mm(給・排水ホースを含む)
質量:83kg

「ES-W114」の特徴

乾燥開始時にセンサーで衣類の素材を見極め、最適な運転で乾きにくい厚手の衣類などの乾燥ムラを抑制する「ハイブリッド乾燥NEXT」を新たに搭載。AI制御により、消費電力量を抑えながら、乾燥時間を延ばすことなく、あたたかくふんわりとした仕上がりを実現した。

また、AIoT機能の進化により、外出先などからでも洗濯の予約時間変更や乾燥運転の追加・取り消しが可能なほか、洗剤自動投入タンク内の残量減少を通知することで、ストックが無くなる前に「COCORO HOME」アプリから液体洗剤・柔軟剤の購入を行うことができる。

さらに、「液体洗剤・柔軟剤自動投入」や「乾燥フィルター/乾燥ダクト自動お掃除」など、お手入れの手間を軽減する便利な機能を搭載し、「AIoTでラク家事」の実現をサポート。プラズマクラスター搭載により、衣類の除菌・消臭ができるほか、洗濯槽やヒートポンプユニットのカビ菌の繁殖も抑制できる。

「汚れ落ち」

洗濯から乾燥まで、トータルで3時間7分。今回試した中で3時間を超えたのは同モデルのみ。ソースとワインの汚れが少し残っているが、他のシミは落ちている。

「乾燥後のシワ」

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前回試したときよりもシワが少ないが、シャツの袖などは一部気になる。なお、乾燥ムラは少なく、厚手のものもよく乾燥していた。

「操作性」

唯一の液晶タッチパネル方式ではなく、タッチパネル方式。洗濯、洗濯~乾燥、乾燥のモード選びで少々迷ってしまったが、音声によるガイドは親切でわかりやすい。

「お手入れ」

乾燥フィルターが自動。1週間に一度程度でいいのはラク。ただ、槽内のゴムパッキンや扉の内側にホコリが多めに付着するので、そちらの掃除が少々面倒だった。

「オリジナル機能」

洗濯槽内にプラズマクラスターイオンを放出することで衣類を除菌でき、静電気を除去できる。コートなども手軽にケアできて便利。

「設置性」

高さがあるので、蛇口の位置がギリギリ。扉は他社と異なり、前面をそのまま開くような形になるので、洗濯機の手前に広くスペースが必要となる。

プラグマクラスターでジャケットなど
家庭では洗いにくい衣類も手軽にケア

以前のモデルと比較すると、汚れ落ちがアップし、乾燥性能は大幅に改善されていた。以前は汚れ落ちがいまひとつだったが、今回は少し残っているものの、他社と大きく遜色はない。また、乾燥後のシワについては袖周りが蛇腹状にシワになっていたが、身ごろは目立たなくなってきている。最新モデルの同モデルから乾燥開始時にセンサーで衣類を見極めているとのことだが、実際に試して実感できた。

さらにシャープ独自のプラズマクラスターは、頻繁に洗えない衣類や水で洗えない制服や靴、帽子なども手軽にケアできる。帽子を試してみたが、ニオイが気にならなくなった。

操作方法については好みが分かれるかもしれない。今回試した中では、唯一のタッチパネル式だ。液晶タッチパネル式は好みが分かれるので、タッチボタンのほうがわかりやすいという方には便利に思えるだろう。

ただ、操作にクセがあり、慣れるまでに少し時間がかかった。我が家のように晴れの日は洗濯のみして外干し、雨の日だけ乾燥機能まで使う、洗う衣類の種類がさまざまで設定変更が多いという方は、ボタンを何度も押して確認しなければならず、面倒だった。

シャープらしい音声でのガイドはわかりやすい。とても丁寧で聞き取りやすく、「お疲れ様」といった声もかけてくれる。IoT機能が充実しており、シャープの製品に接続して、洗濯が終わったら冷蔵庫が音声で終了のお知らせをしてくれる、といった使い方もできる。これからのアップデートで、IoTを活用した新しい家電の形を見せてくれそうなので楽しみにしている。

お手入れは簡単だ。乾燥フィルターには乾燥運転終了後に毎回自動で掃除して集められるのでびっしりと一カ所にホコリが詰まり、ホコリが寄せられる。それをつまんで捨てるだけだが、もう少し捨てやすくしてほしい。なお、乾燥ダクトと排気口についた洗剤成分と一緒に固まる糸くずを、次の洗濯時に給水を利用して自動で洗い流す「乾燥ダクト自動お掃除」が搭載されているので、内部をキレイに保つことができる。これなら、乾燥効率の低下を抑えることができそうだ。

製品貸与:シャープ

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家電プロレビュアー
石井和美

家電をレビューするため「家電ラボ」を開設、小物家電から冷蔵庫や洗濯機などの大型家電のテストも行っている。製品レビューや家電についての解説はWEB、雑誌、ラジオ、テレビなどで発信している。ライター、家電コメンテーター、家電コンサルタント。
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