第3位：ワンボウルメニューが便利な「スチームオーブンレンジ ビストロ」

・「弁当のあたため」では、幕の内弁当を600Wで1分半あたためた。どのくらい温度ムラがあるのか、赤外線カメラで撮影してチェック。

・「解凍」では、豚挽肉200ｇを2cmほどの厚さにして小分け冷凍。全解凍（スチーム有り）で解凍を行った。

・「オーブン機能」では、ロールパンを焼いてみた。予熱ありで190℃、35分焼き、ふくらみ具合や焼き色のムラを確認。

・「オリジナル調理」では、それぞれのオーブンレンジで特徴的なレシピを実際に作って手間や美味しさなどを評価した。

・「操作性」では、主に操作パネルなどの使いやすさをチェック。特に高性能モデルはわかりにくいこともあるので、確認する。

・「お手入れ」では、庫内の掃除しやすさ、水タンクや水受けの取り外しやすさや洗いやすさなどをチェック。

Brand　パナソニック

Item　 スチームオーブンレンジ ビストロ NE-BS2700

price　15万4000円

下ごしらえした材料を耐熱ガラス製ボウルに入れるだけで調理できる「ワンボウル」調理が人気。「高精細・64眼スピードセンサー」でふきこぼれの心配もなく、火加減も自動で調理をしてくれるので特に料理初心者からも評価が高い。

パスタやカレー、シチューまで簡単にできる。とろみのある中華やフレンチも、こびりつきを抑制しながら調理可能だ。鍋やフライパンを使わず、耐熱ボウルで調理するので、後片付けの時短にもつながる。

解凍では、マイクロ波をらせん状に放射するサイクロンウェーブ加熱で、食品の中心部分からおだやかにムラを抑えて解凍できる。「高精細・64眼スピードセンサー」が、分量や種類を見分けて自動で解凍を制御。これにより何度も解凍しなおす手間が不要で、すぐに下ごしらえできる状態のやわらかさに。

また、離乳食用ゆで野菜を作る機能、乾物を戻す機能など、ユニークな実用的な調理モードを備えている。

加熱されている部分はしっかり温度が上がっていたが、他社と比較すると中心部が全体的に弱く、温度が低めという結果に。

全解凍スチームありの「強」にしたところ、解凍時間は7分25秒。4機種の中で一番やわらかく、常温に近い状態で解凍されていた。残り時間がすぐに表示されないのは不便な印象。

しっかりと温度が上がっており、膨らんでいて香ばしさがある。中もふわふわで焼きたては格別だ。ただ、奥側の左側が少し焦げている。

人気のワンボウル調理メニューで「鶏と青菜の梅パスタ」を2人分作ってみた。調理時間は約15分。左右に揺らしてしっかり水になじませるのだが、足りなかったのか一部麺が塊になってしまった。

「手動」「毎日」「料理集」のタブがあり、毎日のモードはよく使うレンジ、飲み物、トースト、解凍などがすぐに選べるようになっている。

内部を見ると、凹凸が多い。特に気になるのが、ネジのような部分。お手入れ時に汚れやすいので気になるところ。水タンクは大きく洗いやすい。

パナソニックの家電製品は、全般的に操作性に優れており、取扱説明書などもわかりやすく、初心者でも迷わず使える点が魅力。

解凍では「全解凍」の「標準」ではカチカチのままだったが、「強」にすると隅々までやわらかくなっていた。他社も同様に標準ではほぼ凍ったままだったが、強にしたときの解凍ではほぼ常温になっていたので、すぐに下ごしらえに入ることができる。ただ、すぐに調理しない場合はもう少しかたさを残したい……ということもある。強弱の調整が極端なので、そのあたりを見極めるのに少し時間がかかりそうだ。

一方、オーブン機能は設定通りに高温となっており、パリッと焼ける。しっかり膨らんでおり、香ばしさもあってとても美味しかった。ただ、奥側のムラについては少々気になった。

ワンボウル調理メニューは、耐熱ガラス製ボウルのみというのが残念なところ。他社では耐熱プラスチック製ボウルと両方使えるものもあり、そのあたりは改善していただけると嬉しい。パスタは下ごしらえをしっかりしないと麺がくっついてしまうので注意が必要。

ただ、味のバランスなどは絶妙で、レシピ自体がとてもよくできており、日常的によく使う食材で変わった組み合わせによる意外なレシピも多く、楽しむことができた。常にワンパターンなおかずでお悩みなら、同モデルを使うことで簡単に作れる料理レパートリーが増えそうだ。

調理後の熱くなった庫内のファンを回して冷めやすくするコースも、地味な機能ながら便利だった。

製品貸与：パナソニック