さまざまな事象を分かりやすい図解で表現し、Twitterやnoteでの発信で支持を集めるこばかなさん。多摩美術大学を卒業後、デザイナーとして歩み始めたのち、コーチング会社THE COACHの代表を務める。SNSなどで発信する内容は理路整然としているこばかなさんだが、普段どんなことを考えているのか。そして普段の発信から削ぎ落とされている“無駄”な部分にこそ、感性を刺激する大事なモノが宿っているはず!
外からの力が作用しなければ、物体は静止、または当速度運動を続けるという「慣性の法則」をなぞり、「こばかなの無駄話から生まれる“感性”の法則」と題した連載。こばかなさんと無駄話をして、日々の生活で静止しがちな思考を動かし始めよう。第1回目は、アニメ化もされて話題となっている「ブルーピリオド」、それから漫画家になりたいという夢のお話し。
あるアニメに出会って、改めて気づかされた自分の内面
最近、「ブルーピリオド」というアニメを観ています。このアニメは美大受験に奮闘する主人公の努力や葛藤が描かれていて、私も美大卒だから共感ポイントがたくさんあるんですよね。最初は友人から薦められて知ったんですけど、想像以上に面白くて。
あまり公には言ってないですが、私自身、美大コンプレックスみたいなのがあるんです。美大に行っていたのに自己表現が苦手で。第三者からの評価とか意見を気にして、自分の想いをうまく表現ができない時期があったんですが、ブルーピリオドに出てくる「自分が好きなものを好きって言うのってこんなにも怖い」というセリフが心に深く突き刺さりました。ブルーピリオドは、自分自身のマインドや価値観を問い直すきっかけをくれているように思います。
究極の自己表現である、絵を描くことにハマっている
そんなブルーピリオドの影響で、積極的に絵を描くようになりました。自分の想いをうまく表現できない性格の私にとって、描くことで自分の内面にある感性を引き出せる気がしています。まあ、究極の自己表現ですよね。絵でアウトプットするときって、素の自分が出すぎる感じがしませんか? それを他人から評価判断されることって、なんだかすごい怖いことだなって思ってきたんです。
でも今は、絵描きをするなかで「自分自身にOKを出すこと」を大事にしたいと思っています。思っていることや描きたいことをアウトプットすることで、蓋をしているかもしれない自身の本心を表現したい、それを必ず肯定していこうって最近強く思うようになりましたね。iPadで落書きをしてるくらいですが、THE COACHのホームページの挿絵にも私の絵が使われていたりします。
ブルーピリオドもコーチングも、惹かれたポイントが一緒かも
自己表現というテーマは、私が行なっているコーチングという仕事にも通じると思います。コーチングには、あなた自身はどうあっても最高だと思うよというような、他人の評価判断をしないマインドが根底にあります。例えば、ティーチングやコンサルティングだと「あなたは将来こういうことするといいよ」という“指導”を前提で接すると思うんですけど、コーチングの場合は「あなたはどうしたい?」と“聞く姿勢”で問いを立てていきます。
私がコーチングに惹かれた理由は、つまり「自分自身にOKを出すこと」だなと。自分に対しても他人に対しても、そういうスタンスで接したいなっていうふうに思います。ブルーピリオドを読んで、自分の苦い経験を思い出すとともに、だからコーチングをやっているんだなと腑に落ちる感じがあって。自分が大切にしている価値観を再認識できました。
今後のこと。5年以内くらいには漫画家になりたい!
普段ビジネスのシーンでは、左脳でコミュニケーションしがちだけど、これからは右脳をちゃんと使うコミュニケーションも意識的に行っていきたいなって思ってます。昔から漫画家になりたいとかイラストが好きって思ってきたから、自分が心の底から言いたいことは何だろうっていうのを追求して、いつか漫画として描きたいという夢があります。上手に自己表現することは、いまだに私にとって相当ハードルが高いなと思っていますが、そういうものを取っ払って自分が好きなもの表現し続けていきたいなと思っています。