公共の場でも目にすることが多くなった「AED」。しかし、実際に使える人はどれぐらいいるだろうか。なぜAEDを使えた方がいいのか、身近においておく必要があるのか。家庭用AEDの必要性を考えた。
「いざというときは、AEDを使って人の命を救うんだ」。そう考えて実践できる人は救急救命士か医療従事者くらいだろう。われわれ一般人は、AEDの存在は知っていても、使い方も設置場所も分からないという人がほとんどではないだろうか。
あなたは愛する人を救えますか?
日本人の死因で、癌の次に多いのが心疾患だ。いわゆる「心停止」のことで1日220人が亡くなっていると言われている。その多くは自宅で起きており、この「220人」という数のすべてではないが、医療従事者がいない場所で人が命を落としていることになる。
いざ、愛する人が目の前で倒れたとき。かわいい盛りの子供の意識がなくなったとき。われわれに何ができるだろうか。ただただ、名前を呼び続けて何もできない時間を過ごすほど悔やまれることはない。
この「心停止」で唯一、というよりそれ以外に方法がないのだが、その処置方法は心肺蘇生だ。胸骨圧迫(心臓マッサージ)か、AED(電気ショック)によるもので、これをやるかやらないかで生存率は1分間で7〜10%の割合で下がっていく。つまり、5分間何もすることができなければたちまち生存率は50%を切ってしまうのだ。
救急車を待つ時間は何もできない不安な時間か?
この実情を踏まえて、東京慈恵会医科大学の主任教授・武田聡医師は、フィリップス社の「家庭向けAEDハートスタート HS1 Home」のオンライン発表会で、AEDの重要性について強い口調で語ってくれた。
「もしものときにAEDを使うことができれば、『1日220人』という命を救うことができます。しかし、心肺停止12万件のうち、AEDが使用されたのはわずか5.1%です。そして、もっとも効果的である、心肺停止直後の迅速な処置をできるのは、第一発見者や身近な方など一般の方々です。
救急隊や医師が患者さんを診ることができるのは5分以上あとです。救急車を呼んでからの平均到着時間は約8.7分。病院収容所要時間は39.5分と言われています。発見直後にAEDで処置することで、救える命があるのです」
加えて、心肺停止は在宅時に起きているからこそ、家にAEDがあるべきだと言う。昨今の天災による被害で防災グッズを備えている家庭は増えたが、AEDが「一家に一台」という感覚はまだない。もし、家庭で誰かが倒れたとき、公共の場で処置が必要な状況に居合わせたとき。目の前の救える命こそ、身近な人たちの手にかかっていると言える。
家庭用AEDハートスタート HS1 Home
今回、フィリップス社から発売される「家庭用AEDハートスタート HS1 Home」は、家庭でも使えるように独自の機能を備えている。医療従事者でなくても処置できるよう、AEDのなかでも比較的低出力の150J(ジュール)というエネルギーで設定されており、未就学児に対しても使えるように付属の小児用パッドに付け替えるだけで、小児モードに自動で切り替えることができる。
また、軽量でコンパクトなうえ、自動音声ガイドやペースメーカーなども備えてユーザービリティにもこだわり、誰でも操作ができるよう使いやすさが追求されている。
大切な人の命を救うためにも、「一家に一台AED」という時代がすぐそこまで来ているのだ。
フィリップス 家庭用AED
「ハートスタート HS1」
サイズ:高さ7.2cm、奥行19cm、幅21cm
重さ:1.5kg(バッテリー・パッド含む)
価格:オープン価格
医療機器承認番号:21700BZY00426000
特定保守管理医療機器/高度管理医療機器
SMART パッド・カートリッジ
医療機器届出番号:13B1X00221000048
一般医療機器
小児用 SMART パッド・カートリッジ
医療機器届出番号:13B1X00221000049
一般医療機器
取材協力:フィリップス