レーシングカーとかレーシングバイクのボディを見ると、使用しているパーツのメーカー名やチューニングブランドのロゴが整然と並べて貼られていますよね。しかも、本来のロゴの色を消しさって黒一色または白一色で塗られているロゴが、ズラっと整列している。ホイールアーチやドアラインに沿って貼られているケースでも、均等な並びで男子心的に見目麗しい。かっこいいですよねアレ。
元のデータがあるならば、PhotoShopを使わずともスマホアプリでお手軽に単色統一に変更できるようになった時代です。ロゴの縦幅を揃えるのもお手軽です。自分でもやってみたいな。そう思ってGoogleさんに尋ねてみました。
うむ、なるほど。カッティングプリンターとカッティングシート、転写シートがあればいいのね。でもノートPCとかVRヘッドセットに貼るような小さなサイズだと、かなりの慣れが必要だってこともわかりました。カッティングシートを切り出すカッティングプリンターの刃先突出量ひとつとっても経験が必要みたい。
もっと簡単な方法がないかな。そう思って改めてGoogle先生に聞き続けていたら、おや、すごく簡単に透明シールが作れるプリンターがあるじゃないですか。
やったっ! 探してたのは君だよ君! ええとさっそくお名前を聞きたいだけど。ふむ、「テプラPRO SR-MK1」というのね。...テプラ? テプラってあのテプラ? ひとめ見ただけで印字した内容が伝わる魔力たっぷりな存在感をもつテプラ? せっかくカッコいいデザインのプロダクトにしても、直感的に使い方がわからないなら「①ここを押す」「②ここを引く」とプロセスを示すタグが貼られて「デザインの敗北」と呼ばれがちなときに出てくるテプラ? 「俺、またなんかやっちゃいました?」と言いつつも輝いているおなじみのテプラ? 本当に?
テプラPROはカジュアルに使えるPRO機だった
いやいや、テプラといったらなんといってもテープがおハデ。貼る場所の素材感や色味をまったく気にせず、黄色に蛍光ピンクに青、緑とカラーがどハデ。もともと注意喚起のために使われることが多かったから、目を引く色味であることが大事なのでしょうけど、それにしたって色ヂカラが強い。そのインパクトを使って、レトロチックなアート作品に使われるのもわかる気がするけど、君、透明テープなんて作れるの? と、思っていたんです。いままで。
実はテプラには、ラミネートラベルを使うTRシリーズと、ノンラミネートラベルに熱転写で印字するPROシリーズがあります。「PROって名前なんだから業務用なんだろうな」といまのいままでスルーしていたけど、このPROシリーズ用のテープカートリッジの種類がめっちゃ豊富で驚いた...のが今年の夏でした。TRシリーズの最終モデルが出て21年が経過して、いまやテプラ=PROシリーズと言っていいのに、ほんとーに知らなかった。なんかすみませんって気持ちでいっぱいです。
楽しく使えるテープカートリッジ
テープカートリッジの種類はおなじみのカラフルなテープのほか、パステルカラーに強・弱粘着、点字、熱収縮チューブ、ケーブル表示ラベル、カットラベル、マグネットテープといっぱいありすぎ。テープ幅も4〜36mmまで選べます。さらに長い歴史を持つだけあって、サードパーティ性のおもしろテープカートリッジもあるんですよ。リボンとかね。
テプラPROシリーズには10台を超えるモデルがあります。単体で文字が入力できるものが中心ですが、テプラPRO SR-MK1はスマホアプリで印字したい文字や模様を選び、ワイヤレスで転送できるのがいちばんグレイトなところ。そして実勢価格1万1000円でありながら、24mm幅のテープにまで対応しているんです。ロゴデータの読み込みとモノクロ化も専用アプリ上で行えちゃう。えっ。もしかして最強すぎないこれ?
テプラPROシリーズの透明テープは、どこまでいってもテープです。カッティングプリンター&カッティングシートと違って、ロゴのみを貼ることはできません。透明テープ部分ももれなくついてきます。でもお手軽に楽しめるっていうほうが大事です大事。本気でハマったときはステップアップすればいいわけですし。
アプリを! アプリの改善をなにとぞ!
ただ実際に使ってみると、なるほどなあよろしくないなあと考えさせられる側面が見えてきました。テプラPRO SR-MK1はオプションのACアダプタもしくは単三乾電池6本で動かすことができるのですが、消費電力が多い! 動作電圧の兼ね合いか、充電池を使っていると10本くらいのテープをプリントしただけで電源が落ちてしまいます。
また専用アプリも微妙なかんじ。ロゴ画像を読み込んでプリント可能範囲を示すガイドに合うように縮尺を調整しても上のほうが削れちゃうし、複数画像を並べると不安定になってくる。テープ送りをする際のボタンを表示させるにもメニューの階層を掘る必要があり、そもそもプリントをしようと「ラベル作成」ボタンを押した先にあるメニュー部。そこからもう一度ラベル作成のためのボタンをタップしなければならないんだけど、そのボタンよりもコラム記事のほうが大きく目立つ位置にあるのはUI設計的に正しいんだろうか。下書きデータを登録するのにユーザー登録が必要だし、その下書きを呼び出す方法も案内不足だし。
がんばって直感的に操作してもらおうと、努力している気配はあるんですよ。でもなーんかピントがズレている感じがする。ユーザー層を絞り込めてないというか。
最後は苦言となってしまったけど、電源に関してはACアダプタ前提と捉えればいいし、アプリはアップデートで改善できる。コンパクトで安価でいろんなラベルが作れるメリットはあるのだから、次の進化を期待したいですね。