株式会社SkyDriveの代表の福澤知浩と申します。スカイドライブは空飛ぶクルマと物流ドローンを開発しているスタートアップ・ベンチャー企業です。およそ3年前、それまで5年間開発していた大きな（3m×3m程度）ドローンが安定して浮上に成功し、これは人が乗る空飛ぶクルマが本当にできるかもしれない。そんな世界が来たら、いまは簡単に行けないような、あちこちの場所に行ける！ 空からのとても素敵な景色を見ながら空を日常的に自由に移動できる、これはすごい！ と思い、起業しました。
ただ、それまで大きな会社の歯車の一員として7年間勤めていただけの人間が、0からものづくりの会社を作って大きくしていくのは非常に困難に感じます。
お金を集めることや組織を作ること、きちんと販売できるものを完成させること、買うと言ってくれるお客さんを見つけて販売していくこと、株主様や関係する複数の企業の方々とうまく連携していくことなど、これまで全然やったことがない事を当たり前のように同時並行で推進していくことが求められます。
そして、空飛ぶクルマは、いまは存在しない乗り物です。法律対応はどうするのか、どのように安全を担保するのか、どのぐらいお金が必要でどんな人たちが何人いれば開発が進んでいくのか、大きさや性能はどんなものにするか、これらひとつひとつに最初から答えはなく、仮説を置いて進めて、上手くはまるパターンと全然勘違いしてやり直すパターンを繰り返しながら、これまで進めてきました。
でも逆に言うと、そんな大きな会社の出身の人間が少なくともここまでは、スタートアップを続けていられるのも事実です。つまり、やりたいことと情熱が一定以上あれば、何か新しいことにチャレンジできるかもしれないと思います。現在進行形で七転八倒しながら会社を作り続けている私の日常を、Beyond Magazineで共有させていただきます。一時期は土日もなく朝から晩まで猛烈に働き、時期によっては土日もゆっくりできてたり、逆にゆっくりしないとやっていけない時もあります。
ただひとつ言えるのは、これまでの人生で、今ほど充実してワクワクドキドキの日々を送れたことはないこと。今ほど自分が成長し続けられる（成長する以外にない）環境はないことです。
会社の成長はそのトップの成長にかかっているとよく言われます。大きな会社にいた時は、たとえば全社員1万人のうち社長ひとりの動きで会社全体の業績が大きく変わるなんて、一人ひとりの費やす時間の割合に比べて社長の過ごす時間はほんの少しであり、さすがに大げさだろうと思っていました。しかし起業後、自分の周りでも様々な社長が様々な会社を経営するのを目の当たりにしてきて、ひとつひとつの会社は、この社長がいるからこの会社ができるんだと、ひしひしと感じます。
実際会社が進むには良い戦略、良いチームワーク、良い進め方が必要で、これらは社長以下のリーダーシップを持ったメンバーを中心とした全員が推進してるのも間違いなく、彼らがいなければ事業は何も進みません。一方で、トップのモノの考え方や時間の使い方が、事業活動のすべてに大きく影響を与えると感じています。
日々、色々な課題を確認するたびに、自分の至らなさに心から萎え、課題が解消されたり事業が大きく進んだりすると、どこまでも未来は明るいと心から喜ぶ。そんな「空飛ぶクルマの会社をやること」にまつわる事業推進や製品開発や資金調達、対外渉外やチーム作りの悲喜こもごもを、皆さまと共有し、新しいモビリティの世界を一緒に作っていければと思っています。どうぞよろしくお願いします！
