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石井和美の家電やりすぎ比較レビュー<冷蔵庫>

第2位:全室独立構造で温度にムラなし!三菱電機「MR-WXD60G

author: 石井和美date: 2021/08/21

まとめ買い需要の増加により、大型冷蔵庫が注目されている。食材をたっぷり入れられるから、こまめに買い物をする必要がなく、コストコなどで大量に買ってもストック可能なのがメリットだ。また、大型の方が電気代は安くなっており、断熱材などの進化により10年前と比較すると同じサイズでも内容量は大幅にアップしている。今回は家電プロレビュアーの石井和美さんが、鮮度保持と使いやすさ、オリジナル機能などに注目し、評価した。

・「冷蔵室の使いやすさ」では、食材の出し入れのしやすさ、見渡しやすさ、扉の使いやすさなどを評価

「冷凍室の使いやすさ」では、大量に購入した冷凍食品の整理のしやすさ、出し入れのしやすさを実際に入れて検証

「冷蔵室の鮮度保持」では、フィルムをはがしたハムを中段に置き、6日後に乾燥や縮み具合を確認

「野菜室の鮮度保持」では、椎茸、きゅうり、パプリカを上段に、ほうれん草を下段にいれて8日後にチェック

「チルド室の鮮度保持」では、豚挽肉を保存。チルドの温度帯よりも低い設定温度があればそちらを選択。7日後に変色や固さなどをチェック

「オリジナル機能」では、ほかにはない便利な機能をチェック。実用性があるのか、実際に使ってみた

安心して食材を保存できる構造が魅力

Brand 三菱電機

Item  MR-WXD60G

price 32万8000円

spec
定格内容積:600L
外形寸法:幅685×奥行738mm×高さ1821mm
質量:124kg
容量(食品収納スペースのめやす):冷蔵室323L(247L)、野菜室114L(82L)、製氷室25L(5L)、冷凍室138L(91L)
定格消費電力:電動機89W、電熱装置234W

「MR-WXD60G」の特徴

「おまかせA.I.自動」は、全ての扉開閉データを収集し、AIがユーザーの冷蔵庫の使用状況を分析・学習。各家庭の生活パターン(活動時間と非活動時間)を予測し、冷却を自動制御する。冷凍室には使用状況を分析し、食品の霜発生を抑制する「霜ガード」を新搭載。製氷室では氷が欲しいタイミングを予測して急速製氷を行う。

また、瞬冷凍室も各家庭の使い方に合わせて自動で運転し、熱いものを入れた際も自動であら熱取りした上で瞬冷凍するため家事の時間短縮になる。約-7℃で凍らせて冷凍なのにサクッと切れる「切れちゃう瞬冷凍A.I.」や、氷点下なのに凍らない過冷却現象を応用した「氷点下ストッカーD A.I」など、食材に合わせて温度帯を変えて保存できるのもメリットだ。

「冷蔵室の使いやすさ」

下段は二段の引き出しになっており、チルドルームと氷点下なのに凍らない「氷点下ストッカーD A.I.」など、肉や野菜を凍らせずに長くストックできるスペースがある。整理もしやすい。

「冷凍室の使いやすさ」

ケースは2段。全室独立構造で部屋別に仕切られており、ほかの部屋の扉開閉の影響を受けにくい。他社と比較すると仕切りなどが少ないので整理は工夫が必要。

「野菜室の鮮度保持」

椎茸はかなりカラカラに。全体的に乾燥しており、パプリカの断面も丸まってしまった。下段に入れたほうれん草は全体的にしんなりしている。

「冷蔵室の鮮度保持」

しっとりしていた中央に比べ、ハムのフチは乾燥して固くなり少し変色も見られた。

「チルド室の鮮度保持」

「氷点下ストッカーD A.I.」で保存したところ、まったく凍っていない状態で、ラップからお皿に移す時点でも買った当初のまま。みずみずしく、変色もない。とても優秀だった。

「オリジナル機能」

全室独立構造だからこそできる細かな温度制御により、微妙に異なる温度帯のスペースに分けられている。そのため、瞬冷凍室のようにその部屋だけを約-7℃の部屋にすることも可能です。

温度帯が豊富で小分け冷凍を減らせる
時短調理をしたい方にぴったりの冷蔵庫

三菱電機の冷蔵庫は全室独立設計で、温度管理が行き届いている。他社の場合、製氷室の引き出しを外すと底がポッカリと空いていて、下の冷凍庫が見える構造のため、製氷室を開けると冷凍室の温度まで上昇して不安定になることもあるが、そういった心配はない。おかげで温度がブレにくく、省エネにもつながっているなど、見えにくい構造部分に力を入れているので安心して使える。

また、冷蔵室の中にチルドルームと、さらに温度が低い「氷点下ストッカーD A.I」、その下には約-7℃で保存できる「瞬冷凍室」など、ユーザーが使う時期に合わせて保存温度を選べるのは便利だ。3日後に使うならチルド、2週間ほど保存したいのであれば瞬冷凍室など、分けておけば小分けや解凍の手間を減らせる。新モデルではAIを搭載して自動制御もするので、さらにベストな状態で食材を管理できるようになった。こういった細かい制御も全室独立設計だからこそできるもので、基本性能を重視している三菱電機らしい製品とも言える。

野菜の鮮度保持がいまひとつだったのは残念なところ。テストした野菜が少なかったので乾燥しやすいという部分もあるが、他社も同じ条件であり、野菜が少ない状態で保存する機会は多いため、改良してほしいところだ。前回テストしたときも同様の結果だった。衛生面を重視している同社は、結露の発生を抑えるため湿度を抑えているようだが、もう少し長持ちするとうれしい。

また、冷蔵室の下部は2段になっているので仕方ないとはいえ、一番上の棚は位置が高く、食材の出し入れがしにくい。お酒の瓶などを倒して使っているが、小物は奥に入ってしまうと奥に出せないことがあった。別売でもいいので、引き出しなども販売してほしい。

製品貸与:三菱電機

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家電プロレビュアー
石井和美

家電をレビューするため「家電ラボ」を開設、小物家電から冷蔵庫や洗濯機などの大型家電のテストも行っている。製品レビューや家電についての解説はWEB、雑誌、ラジオ、テレビなどで発信している。ライター、家電コメンテーター、家電コンサルタント。
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