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4Kテレビで見ても高品質!

ミラーレスカメラにぴったりの「軽量ジンバル」はこれが本命

author: 武者良太date: 2021/09/07

年々高まり続けている手ブレ補正技術ですが、動画撮影においてはまだまだイマイチ。もし美しく、ブレの少ない動画をミラーレスカメラで撮りたいなら、悪いことはいいません。ミラーレスカメラ対応のジンバルをゲットしましょう。

動画の手ブレ補正機能はまだまだ課題あり

「ミラーレスカメラで見やすい動画を撮るにはどうしたらいいのだろう?」という問いには、2021年現在において「ジンバルを使ったほうがいいよ。ミラーレスで使えるものでもコンパクトなモデルがでてきたからね」と答えましょう。どれくらいのクオリティの動画を撮りたいのか、その目標によって変わるお話しなのですが、少なくとも歩きながらでも空を飛んでいるかのようになめらかな映像を撮りたいのであれば、ジンバルがあったほうがいいです。後から、数年後に後悔したくないのなら。

詳細を語る前に近年の手ブレ補正について記しましょう。現在、写真を撮るための手ブレ補正技術は尋常ではないと思えるレベルにまで高まっています。マイクロフォーサーズのオリンパスOM-D E-M1 Kark IIIは12-100mm(フルサイズ換算24-200mm)レンズを使っても2秒の手持ちで問題なし、フルサイズミラーレスカメラのニコンZ 7IIは70-200mmの手ブレ補正機能つきレンズと合わせれば、1秒の手持ち撮影を可能としています。

スマートフォンの写真向け手ブレ補正技術もすごい。特に夜間時においては複数枚の写真を合わせるデジタル処理により、4秒もの手ブレ補正に対応しています。

動画撮影においても手ブレ補正の機能は効果的。といいたいところですが、光学手ブレ補正にしても電子手ブレ補正にしても、写真撮影時ほどの効果はないという印象があります。常時動いているから、複数枚のコマを合わせる技術が使えないんですよね。アクションカムとスマートフォンのように、センサーサイズの小さなカメラであれば高レベルな手ブレ補正をしてくれますが、電子手ブレ補正ゆえにクロップされてしまい、画面が狭くなるという印象があります。

センサーサイズの大きなミラーレスカメラともなると、歩きながら、動きながらの動画撮影はまだまだ技術が追いついていない感じ。手ブレの多さに見づらい映像しか撮れないことが多いのです。

ミラーレス一カメラにぴったりの軽量ジンバル

2021年という未曾有の年に起きた日常と非日常を残しておきたいと思ってミラーレスで動画を撮っておくなら、「MOZA Mini-P」のようなジンバルで強化しておきたい。ただし、ボディもレンズも重いモデルならDJI RSC2やZHIYUN WEEBILL2のほうがいいです。

これらミラーレスカメラ対応ジンバルの大きな違いはペイロードです。ジンバルにはブレをなくしてレンズの向く先をピタッと止められる重さがあらかじめ決められています。

DJI RSC2なら~3kg、ZHIYUN WEEBILL2なら4kgまでのカメラシステムを支えてくれます。これらのモデルに対して「MOZA Mini-P」のペイロードは900gまで。非力だのう。しかし本体重量は710gです。ミラーレス対応ジンバルとしては極めて軽量です(DJI RSC2の本体重量は1.2kg、ZHIYUN WEEBILL2は1.47kg)。

キャリングケースのサイズも普通のバックパックに入れられるほど小さく、運びやすい。どんな場所にも持っていきやすいというメリットがあるんですね。

ジンバルそのものが軽いから、片手で持っての撮影がしやすいことにも繋がります。乗せられるミラーレスカメラとレンズの組み合わせは選びますが、最新モデルに買い替えても得られないスムースな映像品質が手に入ります。

レンズのことを考えると、ミラーレスカメラ本体は600g程度のものをチョイスしたい。フルサイズであればキヤノンEOS R6(598g)、ソニーα7R IV(580g)にα7S III(614g)、ニコンZ 6II(615g)やZ 5(590g)あたりが限界だと思ってください。ここに合わせるレンズは300g未満の単焦点。自撮りもしやすい20mm f2.8、屋内で寄った撮影がしやすい35mm f2.8、大きくボケる50mm f1.8あたりがターゲットですね。

レンズの先が伸びてしまうズームレンズは鬼門中の鬼門! 操作時にすぐバランスが崩れてしまうので、思うように撮影できないでしょう。

ここではソニーα7R II(625g)とタムロン20mm F/2.8 Di III OSD M1:2(220g)と、コンデジ(と言っていいのかいまだに悩みますが)枠に入るソニーRX10M4(1095g)を並べてみました。前者は合計845gで問題なし、後者も電源を入れる前のレンズ収納時は上手くバランスを取ることができた(なんだ、1kgなカメラいけるんじゃん!)のですが、電源を入れてレンズが伸びてしまったら、何をどうやっても使うことができなかったのです。

薄いスマホ専用ジンバルと違って、電源を入れる前に微調整が必要となるため、前後長が変化しないシステムが望ましいんですよね。

コンパクトに収納するためのディメンジョンであり、セッティング出しが難しくピーキーな印象はあります。それでも、「MOZA Mini-P」をはじめとしたミラーレスカメラ対応ジンバルがあれば、50インチ超の4Kテレビで見ても、プロカメラマンやYouTuberが撮ったようなハイクオリティの映像が撮れることが確実となります。この強化武装といえるアイテム、皆さんは手に入れますか?



MOZA Mini-P

実勢価格:2万5000円前後

https://www.gudsen.com/japanese/moza-mini-p

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ガジェットライター
武者良太

1989年にフリーライターとして活動開始。株式会社三才ブックスに入社して編集職に就き、退職の後にフリーライター/カメラマンとして活動再開。2021年で執筆・編集歴32年。現在注視しているフィールドはIT、IoT、スマートフォン、デジカメ、モビリティなど。1971年生まれ。元Kotaku Japan編集長。
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