掃除機選びで外せないポイントといえば、「ゴミの取れやすさ」と「扱いやすさ」。日々の掃除は短時間でサッと終えたいし、階段・壁際・家具の下などの、面倒な部分こそ快適に掃除したいものです。今回試したニトリのコードレススティッククリーナーは、軽量でアタッチメントが豊富な紙パック式モデル。実際に数日使ってみると、家中を掃除するときにうれしいポイントがたくさんありました。

紙パック式コードレススティッククリーナーMA301SK
○充電時間:3時間
○連続使用時間:標準が30分、強が12分
○集じん方式:紙パック式(0.42L)
○外形寸法:本体のみ/幅20.9×奥行23×高さ99.8cm
○質量:約1.1kg
○付属品:アタッチメント一式(ミニパワーブラシ、2Wayすき間ノズル、2Wayハンディブラシ、スイープブラシ、フレキシブルホース)、ACアダプター、充電スタンド、紙パック(3枚)
○価格:29,900円(税込)
吸引力は従来比約1.2倍へ向上したクリーナー。毎分約13.5万回転の高速吸引モーターを搭載し、内部の空気の流れを徹底的に見直すことで、空気抵抗を低減した。さらに、紙パックにゴミが溜まっても吸気経路がふさがりにくい「吸引力キープ構造」を採用し、パワーの低下を気にせずしっかり掃除できる。紙パックの交換頻度は約2カ月に1回。
また、床用パワーブラシヘッドにはLEDライトを搭載し、掃除の見落としを防ぐ。モーター駆動の回転ブラシのほか、ミニパワーブラシや2wayハンディブラシ、すき間ノズル、フレキシブルホースなど5種類のアタッチメントが付属。広い床面から細かいすき間、布製品など、家じゅうの掃除に使える1台。


強モードにすると奥のゴミまでしっかり取れる
まず驚いたのはヘッドの動きの素直さ。幅が狭くて軽いので、押しても引いても左右にひねってもヘッドが浮かず、床にぴたりと密着します。フローリングでは、細かいホコリ・髪の毛がスイスイ取れますし、壁際や家具の脚周りも小回りがきいて掃除がしやすいです。
じゅうたんや大きめのゴミは、“標準モード”だと少しゴミが残りやすく、吸ったはずのゴミがパラパラ落ちることもありましたが、強モードにすると問題は解消。毛足の奥に絡んだゴミや大きめのゴミもしっかり取れました。
モードの切り替えは「MODE」を押すだけなので迷わずできます。
標準モードで、微細なゴミ(重曹)を吸い込みます。キレイに吸い込めています
標準モードで、少し大きめのゴミ(猫砂)を1方向に吸い込んだところ、持ち上げた時にバラバラと落ちたり、取り残しがありました
強モードで大きめのゴミ(猫砂)を1方向に動かして吸い込んだところ。標準モードの時よりもしっかり吸い込んでいます
じゅうたんに大きめのゴミ(猫砂)をまいて一往復してみました。標準モードだとパラッとゴミが残りましたが(上)、強モードにすると、しっかり吸い込めています(下)

階段・壁際・家具下も軽くて取り回しが快適
壁際の掃除は特に快適。ヘッド幅が狭いおかげで端まで回り込みやすい。ヘッドが浮かず密着し続けるので、壁際の細かなホコリまで吸い残しが少ないです。
家具の下も入り込みやすく、緑のライトがヘッド手前のゴミをしっかり浮かせて見せてくれるため、見逃しが激減します。ただし「遠くのゴミまで照らして浮き上がらせるタイプ」ではなく、あくまで“ヘッド周りを確実に掃除するためのライト”という印象です。
階段は軽さがものを言います。片手で楽に持ち替えながら掃除できます。気軽に持ち歩けるので、車の掃除や、エアコンや高い家具の上の掃除などもつい後回しにしがちな場所の掃除も億劫になりません。ただ、大きなゴミだと持ち上げた時にゴミが落ちることがあるので、そういう時は強モードでの掃除がオススメです。
左右にひねった時にもヘッドが浮かずに床を掃除し、壁際や家具の下の狭いところなども掃除機をあてたいところにスムーズにあてられます
階段の狭い場所でも小回りが効くので掃除がしやすいです。何より軽いので、階段の昇降時もストレスを感じにくい!

ハンドルが輪っか状で、腕に負担がかからない
とにかく軽くて操作がシンプル。動かすたびに腕に負担がかからず、方向転換もサッとできるので、「掃除のために力を入れて構える」必要がありません。ゴムの滑り止めがついていて壁に立てかけられるので、掃除中にちょっと置きたいな…と思った時も便利。
また、ハンドル部が輪っか状で、好きな位置を掴めるので、高い位置を掃除するときも低い位置を掃除する時も、持ちやすいところで掃除ができます。掃除をする人の身長が違ってもそれぞれが持ちやすい位置でしっかりと掴めるのがよいと思いました。
紙パック式は、ゴミがいっぱいになると風が通りにくくなり、ゴミの吸込みが悪くなるという課題があります。本機の構造が気になったので、ニトリの開発担当の方に詳しく聞いたところ モーターの前の空間に風が流れるように風路を工夫しているとのこと。いろいろテストで模擬ゴミを吸わせたこともあり、紙パックの半分くらいゴミが溜まっていますが、今のところ、吸込みに関して気になる点はありません。 紙パック式の良さは、ゴミを直接見なくて済むこと。実は先日、子どもの鞄の中から大量のアリが出てきて驚いたのですが、クリーナーでそのまま吸い込むだけでサッと対処できました。後処理も紙パックを捨てるだけなので、こうした思わぬ“緊急事態”でも落ち着いて対応できる安心感があります。ゴミを捨てる時も、紙パックのおかげでホコリが舞い上がらないので快適。「手を汚したくない」「ホコリを見るのが苦手」という人にはここが最大のメリットではないでしょうか。紙パックの交換時期はランプで知らせてくれます。交換用紙パック(PF-S015)は599円(5枚入り)です。




ブラシは外れて水洗いできるので清潔
髪の毛はどうしてもブラシにからみますが、ブラシホルダーを外すと、回転ブラシだけを外せます。からまった髪の毛などは、ブラシの溝に沿ってはさみをあてればカットしやすいです。外したブラシのみ水洗いができます。食べこぼしを吸い込んだ時や細かいゴミが付着した場合でも、清潔に保てます。ちなみに、アタッチメントの回転ブラシミニのブラシも外してお手入れができます。


ほかに、日常のお手入れは、本体やパイプの気になる部分を拭く程度でOK。本体フィルターも外して水洗いでき、全体としてお手入れが必要なパーツは少なめです。フィルターも薄型で扱いやすく、掃除機全体のお手入れのハードルが低い設計になっています。


LEDライトと豊富なアタッチメントで掃除が楽しい!?
ヘッド前方の緑のLEDライトは、細かいホコリの影を強調するので、掃除しながら「ここにまだあった!」と気づけるのが便利。アタッチメントも豊富で、デスク周り、布製ソファ、PCまわり、家具の高い場所、車のシート、布団など、用途によって使い分けられるのが強み。筆者の家では、これを機に家族と掃除の“担当分け”をするようにしました。「この机の上はこのノズルでお願いね」と伝えると、軽いので家族も抵抗なく使えて、自然と作業を分担できるように。家族の“掃除参加率”が上がる、予想外のメリットもありました。日曜日は床、土曜日は布団みたいに、掃除のスケジュールをきめても良さそうだと思いました。











低価格ながらも“バランスよくまとまった”モデル
高級スティッククリーナーのように“超ハイパワー”や“長時間駆動”、“高機能なゴミセンサー”、“高級感のあるデザイン”、“髪の毛が絡みにくい特殊機構”といった要素はありません。また、紙パック式には、ゴミ捨て時に紙パックの穴をシールなどで塞げるタイプもありますが、本機の紙パックにはその機構がありません。気になる場合は、紙パックを外す前に用意したテープなどで塞いでから捨てると安心です。そうはいっても、軽さ、壁際のゴミ取り性能、ライトによる視認性、アタッチメントの使いやすさ、紙パック式のゴミ捨ての手軽さなどがバランス良くまとまったモデルです。
カラーはホワイトとダークグレーの2色で、どちらも落ち着いたトーン。グレイッシュな家具や木のあたたかみのあるインテリアにも自然に馴染みます。これで29,900円という価格は、全体の完成度を考えると “よくまとめてきた” と感じられる1台です。何より、操作が簡単で、使う人を選ばないところもポイントです。

掃除することが億劫にならない設計に仕上がっている
実際に使ってみて感じたのは、「面倒だから掃除しない」を防いでくれる設計になっているということ。ヘッドの密着度が高いのでゴミが取りやすく、ライトで見落としが減り、階段や家具下も楽。紙パック式でゴミ捨ては一瞬。操作はシンプルで、家族も気軽に使える。アタッチメントを変えれば車もソファも布団のケアも網戸も、とにかく家の気になるところを掃除できること。素材のプラスチック感はやや強いものの、それを上回る快適さがありました。
「掃除のハードルを下げたい」「軽い掃除機が欲しい」「家族みんなが使いやすい掃除機がほしい」「ゴミを見たくない」という人に、とても向いている1台だと感じます。
Photo by 下城英悟



















